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Fat Protocol理論へのアンチテーゼ Fat App理論(Fat App Thesis)とアプリケーションチェーンを考える

2022年10月04日

目次

  • 前提
  • Fat App 理論(Fat Applications)
  • 考察
  • 総括

前提

本レポートでは、暗号資産メディアBlockworksリサーチャーのWestie氏が主張するFat App理論(Fat App Thesis)を解説し、筆者の考察を行います。
Fat App理論は、Union Square Ventures時のJoel Monegro氏が2016年に展開し業界に影響を与えたと言われるFat Protocolsの理論をテーゼとし、これに相対するアンチテーゼとして論じられています。そのためFat Protocol理論の概要に触れた上で、Fat App理論の解説を行います。
参考リンク:Fat Protocols(原文)
これらの理論は、ブロックチェーン、クリプト(Web3)における現象の状況証拠を分析し、事象を観察した結果を法則的・統一的に説明できるようにした一連の体系です。そのため、業界の動向といった前提条件の変更により容易に理論は成立し難くなるものであり、ある程度の法則性はあれどクリプトの変化の速さを持って考えれば、数ヶ月後には陳腐化している可能性すらあると筆者は考えています。
ではなぜ、陳腐化する可能性のある理論をあえて紹介するのかといえば、そうした事象の観察を理論化したモデルの理解を通じて、より俯瞰した視点での業界動向に対する視座と現時点での存在感を強くする市場動向の方向性への観点を提供するためです。業界で語られてきた議論が、マーケットの盛衰と共に、今、どのような変化をしているのか(あるいは変化し始めたのか)を考えることに意義があると筆者は考えています。
なお、「プロトコル」と表現する場合、スマートコントラクトによって自律分散的に駆動するブロックチェーン上の分散型アプリケーション(dApps)を指すことがあります。本文では混乱を避けるため、dAppsについてはアプリケーションと表現し、プロトコルという場合ネットワーク上のコンピュータの通信規格(層)を表し、プロトコルレイヤーとはブロックチェーン上のデータを共有するレイヤーの意味で用います。
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