ステーブルコインを高利率で運用する戦略 stETHのディスカウントを利用
2022年07月18日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- 債券としてstETHのバリュエーションを考える
- stETHのディスカウントを利用してステーブルコインを高利率で運用するストラテジー
- 総括
前提
本レポートでは、stETHのディスカウントを利用してステーブルコインを高利率で運用するストラテジーを紹介します。
2022年5月頃からLido FinanceでETHをステーキングすることで受け取る代替資産のstETHのトークンの価格が低下傾向にあります。LIDOはいわゆるLiquid Stakingと呼ばれるプロトコルで、本来ロックされているステーキング資産の証書を発行して、証書側に流動性をもたせて、ステーキング報酬と流動性を両立させようとする試みです。
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stETHは執筆時点で3.7%のディスカウントになっており、最も拡大しているときでは瞬間的に8%程度のディスカウントが発生していることもありました。
価格は下げていますが、stETHやLIDOのスマートコントラクトに問題はありません。stETHは、ETHに1対1で裏付けられており、最終的に償還可能な時期が来ればその担保が利用可能になるため、価値をさらに下げたとしても直接的な問題はありません。売りの連鎖(により価格維持システムが崩壊したTerraUSD(UST)のようなことには基本的には起こりえません。
今回のstETHのディスカウントの原因は、精算に追い込まれてたファンドThree Arow Capitalや、レンディング企業Celsiusによる売却が直接的要因です。
つまり今回のディスカウントはマーケット要因で発生しているわけですが、本レポートではこのディスカウントをチャンスにしてどのような収益機会が考えられるか、具体的ストラテジーとともに考えます。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。