Shadeプロトコル|Secret Network上のプライバシー保護機能付き合成資産(ステーブルコイン)
2022年03月04日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- Shadeプロトコルの概要
- SILK|プライバシー保護機能を持つステーブルコイン
- SILK鋳造とペグを維持する仕組み
- $SHD|ネイティブガバナンストークン
- 総括
前提
本レポートでは、Secret Network上で開発が進むプライバシー保護機能を付与した合成資産プロジェクトである、Shadeプロトコルを概説します。
ShadeプロトコルはSNIP20標準規格に準じたプライバシー保護をデフォルト機能として採用した、合成資産の発行管理を行うプロトコルです。秘匿性を持つ暗号資産はこれまでにも存在していますが、Shadeが発行を計画しているSILKのように秘匿性を備えたステーブルコイン(合成資産)は執筆時点では他にはありません。
また「秘匿性を備える」という特徴の他に、単一法定通貨が抱えるリスクを避けたバスケット型ステーブルコインであること、さらにアルゴリズミックステーブルコインであるといった特徴があり、このことからプライバシー保護や自律性を重んじたプロジェクトであることが伺えます。
なお、暗号化されたトランザクション履歴がブラックボックス化することを危惧する向きもありますが、アドレス所有者の許可を得て復号することはできますので監査は可能です。
本レポートではSILKの概要、鋳造の仕組み、ペグを維持する仕組み、ガバナンストークンSHDを概説します。
基盤となるSecret Networkについては以下の関連レポートをご参照ください。
【Executive summary】
- ShadeプロトコルはステーブルコインSILKとガバナンストークンSHDのデュアルトークンモデルを採用
- SILKはSecret Network上のSNIP20標準規格に準拠している。このためプライバシー保護をデフォルト機能としてもち、ユーザーは取引情報の選択的開示を行うことができる。
- SILKは米ドルにのみ連動するステーブルコインではなく、法定通貨が抱えるリスクを分散させ、通貨としての独立性を保つために複数の法定通貨で構成されるバスケット型を採用している。
- SILK鋳造方法は大きく2パターンあり、1つはSecret Network上のシークレットトークン(sSCRTなど)を用い、もう1つはネイティブガバナンストークンSHDを用いる。SILKのペグが上下に外れる場合はSHDまたはSILKによるアービトラージを市場参加者に促すことで調整している。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。