DAOにおけるトレジャリーマネージメント
2022年02月10日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- DAOにおけるトレジャリーの種類
- トレジャリーの資金調達方法
- 総論
前提
非中央集権のプロトコルが永続的に存続するためには、定期的なメンテナンスやバージョンアップを伴う開発が必要です。DAO(Decentralized Autonomous Organization、自律分散組織)はそのような開発・メンテナンスの方針やコストの捻出をするために必要であり、プロトコルが得る現時点のマネーフローを将来の追加投資のためにトレジャリーに蓄積して、プロトコルの更なる発展に寄与させることが可能となります。
DAOはその性質は既存の株式会社とは異なりますが、資本調達をして事業を発展させるという点については双方には大きな違いはありません。株式会社における資金調達の方法としては、株式の新規発行(エクイティファイナンス)、借入による調達(デットファイナンス)、利益剰余金の活用といったものがあります。
同様にDAOにおいてもトレジャリーの資金調達の方法としては、ネイティブトークンの売却、プロトコルが提供するサービスからの収入、運用、借入などが挙げられます。
多くのDAOはトレジャリーのほとんどを自身のネイティブトークンで蓄積しており、資金が必要な場合においては市場において保有するネイティブトークンを売却する必要があります。
プロトコルの成長という観点ではネイティブトークンの売却に依存する方法のみを選択肢とすることは、ネイティブトークンの売り圧力を作り出すことになるため理想的ではありません。DAOは多数の収入源や資金の調達方法を選択肢として用意しておき、市場環境などに応じて、適した方法で必要な資金を得ることが重要になります。
そのようなことを踏まえて、本レポートではプロトコルの永続性のためにDAOのトレジャリーマネージメントが必要であり、DAOのトレジャリーを3分類に分けることでどのような資金調達方法があるのか解説を行います。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。