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Starknetの仕組みを活用した新たなオンチェーン投票システム「Snapshot X」について解説

2024年09月13日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提
  • Snapshot Xの概要
  • Snapshot Xの特徴
  • 総括

前提

従来、DAOのガバナンスにおいては、2つの主な選択肢がありました。一つは、オフチェーンで行われる中央集権的かつ迅速な投票方法、そしてもう一つは、ブロックチェーンの分散型原則に基づくオンチェーン投票です。しかし、オンチェーン投票はコストが高く、また非効率であるため、多くのDAOがこの選択肢を避け、コストや効率の面で優れたオフチェーン投票を採用することが一般的となっていました。
こうした状況を打破するため、2024年9月にSnapshot Labsから「Snapshot X」が発表され、大きな話題を呼びました。Snapshot Xは、従来のオフチェーン投票システムであるSnapshot v2に新たなオンチェーン投票機能を統合し、DAOコミュニティにとって理想的なガバナンスツールを提供しようとしています。そこで本レポートでは、Snapshot Xの概要や特徴について解説し、この新たな仕組みがどのようにDAOガバナンスのあり方を変革するのかについて探っていきます。
[関連資料]
公式ウェブサイト:https://snapshot.box/#/
公式ドキュメント:https://docs.snapshot.box/protocol/space-controller-actions
公式Twitter:https://x.com/SnapshotLabs
公式Discord:https://discord.com/invite/MKDaqUBgjF 

Snapshot Xの概要

出典:https://x.com/SnapshotLabs/status/1833075127422239196
Snapshot Xは、従来のオフチェーン投票ソリューションであるSnapshotに、オンチェーン投票のセキュリティと透明性を付加したことを標榜する投票プロトコルです。従来までのSnapshot v2が持つ使いやすさや柔軟性をそのまま維持しながら、オンチェーン投票が提供する「検証可能性」「耐検閲性」「不変性」といった利点を活用できる仕組みとなっています。
注目ポイントとしては、Herodotus社のストレージ証明技術(StarknetのSTARK技術)を活用し、従来のオンチェーン投票に比べて10倍から50倍のコスト削減を実現している点です。なお、StarknetはEthereumエコシステムで採用されているレイヤー2のスケーリングソリューションであり、DAOの設定や投票プロセスを低コストで実行可能なプラットフォームを提供しています。
さらに、Snapshot XではMetaMaskなどのEVMウォレットをサポートし、DAOがガス代を負担することでユーザーがガス代を支払うことなくオンチェーン投票を行える「ガスレス投票」の仕組みなども導入されています。この仕組みにより、DAOメンバーが投票に参加しやすくなり、コミュニティの意見をより反映しやすい環境が整備されています。
出典:https://x.com/SnapshotLabs/status/1833480753365029169
ちなみに、Snapshot Xのローンチ発表を受けてStarknetは、Yuki LabsがデザインしたカスタムUI「Starknet Governance Hub」を通じて、Snapshot Xプロトコルに早速ガバナンスを導入するなど、積極的な動きを見せています。
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