レイヤー2トラスト構造 誤解と現状の整理
2021年12月08日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- 何がトラストレスで何がトラストレスではないか
- Data availability
- State validation
- Validator failure
- 公式ゲートウェイとHOPブリッジの違いは何か
- ブリッジによる流出資産の迂回ルート
- ゲートウェイコントラクトの問題
- 総論
前提
本レポートではEthereumのレイヤー2(以下L2)関連のよくある誤解を提示しながら、現状のL2がどのような構造で運営されており、ユーザーとしてどのようなリスクがあるかを概観します。「L2はトラストレスでありEthereumに近いセキュリティがある」や「L2も結局はオペレーターをトラストしている」といった声は部分的には当てはまる状況もあるものの、「L2だから○○である」と一刀両断できるほどには簡素な構造ではなく、過度期ゆえに暫定的な仕組みを採用しているのがL2の現状です。
特にL2上での状態遷移のセキュリティとトークンのL1・L2間の移動を実行するゲートウェイのセキュリティの混同がよく見られます。本レポートでは特にORU(Optimistic RollUp)とZKRU(ZK RollUp)を対象にしていますが、ゲートウェイ部分はその他のL2にも当てはまる話です。
何がトラストレスで何がトラストレスではないか
L2技術の現状を把握するにはL2BEATが便利です。L2ごとのToken Value Locked(TVL:プラットフォーム内にロックされているトークンの時価総額)が確認できるサイトとして有名ですが、L2で使われている技術や運用体制、整備されていない機能を確認するためにも非常に有用です。
分かりやすいところから眺めていきます。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。