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FIAT DAO 固定イールドトークンの担保活用が可能なレンディングプロトコル

2021年11月20日

前提

債権トークンなどのアセットのイールド価値と元本(Principal)価値を切り分けて、金利部分の価値をトークン化することを目的としたプロトコルとしてはElement Finance、Pendle、Tempus、Senseなどがあり、それらは昨今注目を集めています。
それらのプロトコルの機能として、債権トークンのイールドを固定化して固定イールド型のアセットトークン(Fixed Income Asset Token)を組成するものがあります。固定イールドの金融商品はトレジャリーの運用など保守的な運用戦略を好む投資家のニーズには合致していますが、DeFiエコシステムにおいては依然としてマーケットが形成されていません。
マーケットが形成されていないのは、固定イールドトークンにニーズがなく、マーケットフィットしていないということではなく、以下の要因によるものと考えられます。
  1. 市場参加者が少なく十分な流動性がない
  2. イールドトークンを評価する方法が未確定
  3. イールドトークンを担保にして資金調達をすることができない
  4. 流動性がないことから、担保としても精算時にフェアプライスで売却できない
上記要因より、イールドトークンの流動性がない⇒担保にしても精算時に売却できない⇒イールドトークンを担保として活用できないため投資家に債権トークンを元本トークンとイールドトークンを切り分けるニーズが発生しないことが分かります。潜在的なニーズがあっても市場参加者にとって活用するのに必要なパーツが十分に揃っていないため、市場の形成に至っていません。
市場の形成には、①必要な機能を市場に提供する、②リスクをテイクして流動性を提供する主体の存在の2つが必要になってきます。
FIAT(Fixed Income Asset Token) DAOはそれらの問題を解決することを目的として形成される予定のDAOになります。
本レポートでは、イールドトークンの普及に必要な機能を提供するFIAT DAOについて解説します。
(注:現状ではコンセプトなどは発表されているものの、プロダクト・詳細なアルゴリズム・ソースコードはリリースされていません。ガバナンストークンFDTのディストリビューションは開始されていますが、プロダクトについては十分な情報公開がなされていないため、本プロジェクトの参加にはリスクがあることをご理解ください。)
なお、イールドトークンの性質やメカニズムについては以下のレポートを事前にお読みいただくとより理解が深まります。
イールド・トークナイゼーション イールドのトークン化がなぜ重要なのか?ミスプライスと潜在的巨大市場
https://hashhub-research.com/articles/2021-10-26-about-pendle
公式Webページ
https://fiatdao.com/
ドキュメント
https://github.com/fiatdao
ソースコード
https://github.com/fiatdao
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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。