ビットコインのインフレヘッジとしての機能について

前提

ビットコインは、国家などによる信頼と信用を裏付けに発行される不換通貨の代替となることを意図して、中央銀行や政府などの中央機関による市場操作の影響を受けないことを目的に、独立した価値保存・交換手段となることを目指して開発・発行されました。
特に黎明期においては国家権力に対する不信から、私的財産に対する制限を嫌悪し、個人の自由・自立を重んじるリバタリアニズムを標榜するリバタリアンと呼ばれる人たちによるコミュニティ形成がなされたことで、国家の失敗により法定通貨はいつか価値を維持できなくなり、ビットコインが逃避資産となるというレトリックが普及のために用いられました。
その後、リバタリアニズムが大衆には受け入れられないこともあり、ビットコインは発行総数に上限があり希少性が高いことから金と同様にインフレヘッジになる「デジタルゴールド」として喧伝されるようになったという経緯があります。
確かに、ビットコインは供給量を段階的に絞るようにプログラムでコントロールされており、インフレ通貨からデフレ通貨になるように計画されているので、将来的には金などのコモディティと同じような需給構造を取りうるといえます。
しかしながら、ビットコインが誕生してから12年ほどしか経過していないことから、現状では市場規模は金や原油などのコモディティなどの他の資産に比べると小さく、マーケットのヒストリカルデータはインフレヘッジとしての機能を果たしていることを示してはいません。
現状ではインフレヘッジ資産としての機能は果たせているとは言い難いものの、将来に亘っても機能しないとは断言できません。
現に世にビットコインが認知されるにつれて市場へ資金が流入してきており、市場規模が拡大し、機関投資家などが参入しつつあることで、インフレーション率との相関関係はわずかながら強まっているというデータもあります。
よって、将来的にはマーケットでの認知が進むにつれて、よりインフレヘッジとしての機能が強化されていくのではないかという予測もされています。
本レポートでは、ヒストリカルデータに基づいてビットコインと他アセットとの相関性やインフレ率の関係性について解説しています。

ビットコインの性質

ビットコインは、法定通貨と中央銀行/政府の間にあるようなつながりを排除したいという考えのもとトラストレスな仕組みを構築しました。
よって、政府などの通貨発行体が不安定化または信頼できなくなった場合、投資家が暗号通貨を魅力的な価値保存手段と考える可能性があることを意味します。
特に先進国ではなく、中国などの強い資本規制が採られている諸国に関しては、当該国の政治情勢との関係性がないということはビットコインは魅力的に映る者と考えられます。
よって、そのように一部の投資家層には金と同質の価値の保存機能としての評価をされているかもしれません。
しかしながら、ビットコインの誕生以降に基軸通貨であるドルへの信任が著しく低下したことはなく、本当に逃避資産として活用されるかは未知数です。
また、インフレ率との関連性においても、過去のデータによると相関性は高くありません。他のアセットクラスとの相関性に関してみてみると、

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