Convexの概要 Curve特化のファーミング効率化プラットフォーム
2021年06月17日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- Curveファーミングの概要
- ConvexなしのCurveファーミングの様相
- Convexの概要と存在意義
- Convexの注意点
- 総論
前提
本レポートではCurveファーミングの専門商社的な立ち位置で存在感を増しているConvexの概観を行います。ConvexのポジションはCurve専用のファーミング効率化レイヤーとも表現でき、より多くのユーザーが効率的にCRVのファーミングができるような機能を備えており、今後も類似のプラットフォームが続出すると筆者は予想しています。また後述するようにベースレイヤーとなるDeFiプロダクトの上に、そのプロダクトへの効率的な貢献、並びに効率的な経済的インセンティブの獲得を可能とするプロダクトが載るのは合理的であり、将来的なDeFi全体の構造もこれに近いものになると思っています。
次節以降ではCurveファーミングのおさらい、ConvexなしのCurveファーミングの様相、なぜConvexがCurveには必要であったのか等を解説していきます。
ドキュメント:https://docs.convexfinance.com/convexfinance/
※Convexは新規プロジェクトであり、また開発者も少なく、潤沢なリソースがあるとは言えない状況ですので、実験的な意味合いの強いフェーズにあります。
※Convexは新規プロジェクトであり、また開発者も少なく、潤沢なリソースがあるとは言えない状況ですので、実験的な意味合いの強いフェーズにあります。
Curveファーミングの概要
Curveのファーミング構造は既に『Curveのリワード構造を理解して効率的なファーミングを実施する』で詳しく説明していますが、以下にポイントをまとめます。
- Curve上にある任意の公式プールに流動性を提供することでCRVを報酬として獲得できる
- どのプールがどの程度の報酬CRVが割り当てられるかは投票で決まる
- ユーザーはCRVをロック(拘束期間あり。平均で3.6年ロックされている)することで、最大で2.5倍のブースト係数を獲得し効率的にCRVを獲得できる
- ブースト係数は提供している流動性の操作(入金/出金)とCRVのClaim時に再計算されるため、一度ブースト係数を2.5倍にしておき、放置していれば2.5倍ブーストは確保される
- より多くの流動性に対してブーストを有効にしたければ、より多くのCRVをロックしなければならない
- CRVをロックすることで得られるブーストは全てのプールに対して有効だが、どの程度ブーストできるかはプールによって異なる
最大で2.5倍のブーストと聞くと美味しそうな案件に聞こえますが、結論からいえば、それなりの量のCRVを4年間ロックしなければ合理的なブーストはできません。筆者は上記のレポートを公開した前後にその当時の最大プールで2.5倍のブーストを確保していましたので、僅かな量のCRVで最大ブーストが可能でしたが、CRVのロック数が大幅に増加した現在においては、相当な量のCRVをロックする必要があります。
具体例を示します。$10,000のUSDトークンをデポジットして、最大ブーストをしたい場合、何CRVを4年間ロックしなければならないかを以下に記述します。
sUSDプールで8215.22CRV($18,484)
USDNプールで3938.82CRV($8,862)
LUSDプールで7841.17CRV($17,642)
USDNプールで3938.82CRV($8,862)
LUSDプールで7841.17CRV($17,642)
現在のCRVファーミングは2.5倍のブーストを使ったとしてもせいぜい10%~30%程度のAPYにしかならないため、ここから新規でCRVを買ってロックを行う人は少数派だと思われます。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。