論考・ロングタームで大局観を持ちながら、 暗号資産・ブロックチェーンに投資をする5つの原則

目次

  • 前提
  • 1:そのコンセプトと技術は世の中にあるべきかどうか
  • 2:暗号資産・ブロックチェーン領域における2つのサイクル
  • 3:虚構が共同主観的事実に変わる
  • 4:期待によって価格がつき、プロダクトのアダプションより早い
  • 5:歴史とテクノロジーと社会に関心を持つこと
  • 総論

前提

本レポートでは、筆者による、ロングタームで大局観を持ちながら、暗号資産・ブロックチェーンに投資をするための5つの思考法を纏めます。
筆者は2013年頃から暗号資産に投資をしていますが、その中で様々なバブルを経験して、また今はすでに十分に大きくなっているプロジェクト、例えばBitcoinやEthereum、Polkadotなどを黎明期、またはそのホワイトペーパーが発表される前から観察してきました。今回は、約8年に渡りその観察と実践を続けてきた中での、原則とすべき思考方法のようなものを纏めることとします。
少なくとも筆者にとって、これらの思考法は、単純に経済的観点だけを見ても、チャートの勉強をしたり短期トレードに勤しむよりも遥かに重要な考え方です。実際にこれらの思考法に忠実であれば、暗号資産、ブロックチェーン業界で、過去8年で100倍のリターンを生む投資案件を複数掘り起こせただろうと思います。
そして経済的観点以外に目を向ければ、このような思考法を持つことにより、暗号資産・ブロックチェーン、あるいは他のパラダイムシフトの技術がどのように人類に影響を与えるかを考える能力を高め、その参加者になることができるようになります。

1:そのコンセプトと技術は世の中にあるべきかどうか

まず、1つ目の原則は、そのコンセプトと技術は未来の世界で求められているか?です。
2013年に以下の質問を投げかけられたらどうでしょうか。
「中央銀行以外が発行するお金のようなデジタルコモディティは未来の世界で求められているか?」
恐らく高等教育を受けている5人に1人程度は「必要である」と答えたのではないかと思います。なぜならば金融危機からまだ数年しか経っておらず、金融機関の失態が税金と未曾有の金融緩和によって補填されていることが当時の人々にとって記憶に新しいからです(そして2021年現在はそれ以上の未曾有の金融緩和が行われています)。
しかし、現実には5人に1人ではなく、筆者の感覚では2013年にBitcoinに肯定的あるいは真剣に考えていたのは100人に1人いるかいないかでした。
例え頭が良く見える人や社会的地位がある人でも、99人は「マネーロンダリングが~」「決済性能が~」のようなやり取りをしていたことは今でも覚えています。しかし、それらの個々の問題はそれでそれで一つ一つの課題ですが、「中央銀行以外が発行するお金のようなデジタルコモディティは未来の世界で求められているか?」と比べたら非常に些末な問いです。
筆者の未来の大きいビジョンに対する基本的な考えは、
  • ①課題あるいは、未来はこうあるべきというビジョンがある
  • ②世界中の優秀な人たちがリソースを投下している
  • ③同時にリソースを投下し続けるインセンティブが回っている
①②の前提があって、③ができているうちは、そのテーマを無視してはいけないと考えています。
③のインセンティブとは、暗号資産やブロックチェーン業界では、トークンの価格維持や上昇、あるいはトークンエコノミクス全般が機能不全になっていないかどうかです。これが機能不全にならないうちに未来が作られないといけないですが、その機能が働いているうちはそのテーマに賭けて良いでしょう。
「そのコンセプトと技術は未来の世界で求められているか?」について、過去8年で以下のような問いがあったはずです。
「中央銀行以外が発行するお金のようなデジタルコモディティは未来の世界で求められているか?」
「プログラムを実行できるステートを持ち、人類全員が参照できる台帳は未来の世界で求められているか?」
「誰でもアクセスでき、プログラム可能な金融システムは未来の世界で求められているか?」
これらの回答に答えるのは決して難しくなかったはずです。2021年の今に比較的新しい問いをするならば、以下でしょう。
「Ethereumに足りない分散環境でのホスティングとコンピューティングを実行できるプロトコルは未来の世界で求められているか?」
「すべての認証プロセスに中央主体が介在しなくても認証ができるID基盤は、未来の世界で求められているか?」
これらの答えがyesであり、世界中の優秀な人たちがリソースを投下しており、そのインセンティブが回っているにならば、そのテーマは重要な可能性が高いと言えます。
それは世の中に求められているかは最も基本的な問いであり、同時に最も重要な問いです。

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