国内ステーブルコインプロジェクトの近況と ポイント制度へのブロックチェーン応用の障壁
2020年10月12日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- Executive Summary
- 国内のステーブルコイン近況
- ZEN
- LCNEM
- GYEN
- ICHIBA
- Byacco
- ディーカレット
- 前払式支払手段
- 国内のポイントシステム近況
- ポイント同士の交換について
- まとめ
- 結論
- 参考資料
前提
本レポートでは国内のステーブルコインの発行状況や発行形態とポイントシステムの概況をまとめます。国内で活発に利用されているステーブルコインは執筆時点では登場しておらず、発行の規制も定まっていません。それゆえに現在の法規制に準拠した形で発行する工夫が見られますが、規模は非常に小さく、期待されていたZENやGYENのローンチも大幅に遅れています。また、発行する際に使用するブロックチェーンもNEM、Ethereum、COSMOSと様々で、発行手段やユーザーへの出金対応も異なります。以下では各ステーブルコインプロジェクトの形式や発行体、利用状況などをまとめています。
ポイントシステムの節ではT-POINTや楽天ポイントとANA/JALのマイルはすでに交換が可能である点や、各ポイントを交換可能にするための中間ポイントの存在を示した上でブロックチェーン利用の課題を示しました。ブロックチェーンのポイントシステムに対する応用は技術的には合理性がある一方で、ブロックチェーンを導入することで実現する各ポイントの相互交換は、ポイント発行体の不利益につながる可能性があります。
Executive Summary
- ステーブルコイン
- 活発に利用されている国内のステーブルコインはまだない
- そこには法規制の問題がある
- 各発行体は現時点で利用可能なスキームで発行している
- ポイント
- ブロックチェーンなしでもポイントの交換は一部可能
- 交換を補助するための中間ポイントが存在する
- ポイントの相互交換は技術的な要因よりも各社の利害一致の難しさが最大の課題
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。