国際社会における中国のブロックチェーン活用状況概観
2020年07月20日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- 国際的なコンソーシアムブロックチェーンに参加する中国企業
- 宝山鋼鉄股份有限公司(Baoshan Iron & Steel.,Ltd.以下BaoSteel)|シンガポールの貿易プラットフォームContourでの人民元建て鉄鉱石取引
- 中国最大の農産物、食品会社COFCO(中糧集団)がADM、Bunge等と共同で農産物の輸送取引の標準化、及びデジタル化を進めるCovantisS.Aをジュネーブに設立
- 国際社会へ拡大する中国発ブロックチェーン
- 総論
前提
本レポートは、国際社会における中国ブロックチェーンの活用状況を概観します。
昨今の米国との緊張状態が続く中で、中国が如何にして政治的干渉を受けずに国際社会と継続的にビジネスを行っていくのかという視点から、中国のブロックチェーンの取り組みを概観します。既存のクロスボーダー決済の標準は事実上SWIFTであると言えますが、米国のSWIFTに与える影響力を歴史的観点から踏まえると、その代替システムがないことは無視できるようなものではありません。いくつかの点から中国がブロックチェーンに積極的な理由を述べることはできそうですが、その中の一つに政治的干渉を受けずに安全に国際社会とビジネスを継続するための基盤づくりというものがあると筆者は捉えています。
本レポートでは中国企業が国際的なコンソーシアムブロックチェーンに参加するパターンと、中国発のブロックチェーンを国際社会に適用させるパターンの大きく2つの流れについて触れ、それぞれの参考事例を紹介します。日本国内企業が中国本土に法人を構えたときに国際的なブロックチェーン上で取引を行うのか、もしくは中国産ブロックチェーンでないと取引が行えないのか、という疑問に対する参考にもなるかもしれません。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。