世界の暗号資産取引所ビジネスの定点観測レポート【20年7月版】

目次

  • 前提
  • 現物市場の取引データおよび各社の主要なアップデート
  • デリバティブ市場の取引データおよび各社の主要なアップデート
  • 取引所トークンと関連する各種データ
  • 総論

前提

今月より現物取引所、デリバティブ取引所、取引所トークンの概要を共有する取引所マーケットレポートの配信を開始します。調査対象は現物市場とデリバティブ市場におけるメジャー取引所で、取引所トークンの時価総額や推定収益、バーンと時価総額の比率を踏まえての分析を行います。主に取引所事業者、取引所事業者に関わる事業者、取引所トークンに投資をする投資家などを読者層として想定しています。
取引所ビジネスは2015年頃までは「取引所がどのように利益を上げるか分からない」と評されていました。しかし16年、17年に利用者が爆発的に増えたことでドル箱となり、国内外の大手取引所は既存金融の大手企業を凌ぐレベルの利益を叩き出しました。当時はbitFlyerのBTCFXが世界トップレベルの出来高を誇っており、BTCJPYペアが世界のBTC価格に影響力を持っておりました。
また、数百億レベルの損害を出したハッキングにおいてCoincheckが自己資本で被害者に補償を行ったことも記憶に新しいです。現在は日本市場が世界に与える影響は限定的で、オフショア取引所が大きな影響力を持っています。特に中国系のBinance, Huobi, OKExとBitMEX, FTXの影響力が強く、オンショア系ではCoinbase, Bithumb, Krakenがポジションを維持しています。
最近のトレンドとしては、現物取引所の先物市場への参入が目立ちます。特にBinanceとHuobiは充実したアルトコインペアを取り揃える取引所として名を上げましたが、先物市場においてもトップ2を占めるに至っており、「新興取引所がそこを拠点としてビジネスを拡大させられる領域」を既存の王者が征する形となっています。
またBinance, Huobi, OKEx, FTXは独自トークンを発行しており、トークンの売却益や市場での値上がりによる買収資金の確保によって未来の収益を先取りする形で経営にレバレッジを効かせて市場シェアを確保することに務めています。
取引所トークンは株式ではなく、従来のバリュエーション手法は使えず、懐疑的な意見には賛同するところもあるものの、だからといって事業者や投資家、思想家が唾棄すべきものでもありません。取引所トークンはDeFiのネイティブトークンと同様にバリュエーション手法が定まっておらず、ベンチャー投資に類似するものの、投資判断の解像度を上げる手法には進化の余地が大きく残されています。本シリーズでは、著名VCや投資家の手法も紹介しながら、取引所トークンの分析も行います。

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