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投資家は秘匿チェーンと後付の秘匿機能をどう評価するべきか

2019年10月17日

目次

  • 秘匿チェーンのおさらい
  • 「秘匿機能」でポジションを取ることについて
  • BitcoinやEtheruemが提供する秘匿機能
  • チェーンに付随するアプリとしての秘匿機能
  • 総論

秘匿チェーンのおさらい

ここでは秘匿機能を持つチェーンと、BitcoinやEthereum上で達成される秘匿機能の2つを主に扱います。秘匿機能を持つチェーンの代表例はMoneroやZcash(以下まとめて秘匿通貨)です。匿名通貨といっても以下の表が示すように、匿名の度合いや範囲はグラデーション模様になっており、「これらの条件を満たせば、この通貨は匿名通貨と呼ぶのが適当である」といったような基準は存在しません。例えばDASHは匿名通貨として扱われることが多いですが、DASHが使用している仕組みはBitcoinでも実用化されているCoinJoinを使ったものです。
2019年にはもともとはBitcoin向けに提案された技術であるMimblewimbleを実装したGrinとBEAMがローンチしましたが、こちらも匿名通貨に含まれます。
外野から見ると「なぜこんなに匿名通貨が存在するのか」という疑問もあると思いますが、「トレードオフがあるから」が簡単な説明です。Zcashの秘匿トランザクションは上の表の通り非常に匿名性が高いですが、計算コストがかかるのとオプトインでしかトランザクションが秘匿化されない点が欠点です。Moneroは全てのトランザクションが秘匿化されますが、秘匿家の度合いはZcashよりも低いとされています。
GrinやBEAMはMoneroと同様にPedersen commitmentを用いていますが、一部のトランザクションを保存の対象から外してチェーンのサイズを小さくしたり(トランザクションカットスルー)、トランザクションを迂回させたり(Dandelion)するなどの特徴があります。
本レポートでの視点として重要なのは「これらの秘匿チェーンは、BitcoinやEtheremが秘匿化機能を実装した場合でも生き残るのか(≒投資対象としてどうなのか)」、「目的(プライバシーを確保する)を達成するための手段として、わざわざ個別のチェーンを用意する必要があるのか」です。
ちなみに本レポートの参照元であるMulticoin Capitalのレポートは匿名通貨に対して否定的な態度を取っており、BTC&ETHはロング、ZEC&XMRはショートのポジションを取っています。
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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。