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FTXの商品設計から見る取引所ビジネス動向

2019年10月10日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • FTXが新興オフショア取引所として注目される理由
  • FTXの商品設計の概要
  • 個別商品の詳細を確認する
  • FTXから見る取引所運営の流れと難しさ
  • 総論

FTXが新興オフショア取引所として注目される理由

FTXは新興のオフショア取引所です。2019年になり、「オフショア」取引所は随分とコモディティ化しました。取引所運営には「流動性の確保(=マーケットメイキング)」、「取引エンジンの安定した稼働」、「高いセキュリティ」、「投資家を惹き付ける商品」などが必要ですが、これらのノウハウがPoloniexやBinanceなどのマーケットリーダーをベストプラクティスとして、業界に蓄積されていき、取引所運営がかつてほどには珍しいものではなくなったことが、オフショア取引所のコモディティ化を招いていると言えます。
コモディティ化は競争の激化を意味しますから、それぞれに何らかの特色を出して顧客を惹き付ける必要があります。
例えばd10n Lab内でも取り上げられたCoinFLEX
(*参考レポート:新しい先物取引所CoinFLEX、大御所ファンドも投資する先物取引所の特徴やトークンについて
https://hashhub-research.com/articles/2019-07-18-coinflex-overview )では、先物契約の現渡しとIFO(Initial Future Offering)を差別化要因としています。IFOでは、売り手が売却したコインが高騰した際に現渡しが行われないことを防ぐために売出し価格の10倍程度のUSDTを担保として要求して、IFOでも従来の先物市場とは異なるアプローチを取っていることが特色です(とはいえIFOが行われたPolkadotやDfinityはいずれの市場もあまり盛り上がっていません)。
FTXはレバレッジ取引とマーケットアウトで開発された金融商品を差別化要因としています。後述するように、「かゆいところに手が届くインデックス」を顧客に提供することで利用者を惹き付けることを狙っています。
ここでは深堀しませんが、オンショア取引所については、オフショア取引所とは別の方向に進化してきているため、引き続きオンショア対オフショアでの顧客争いは残るものの、オンショア取引所は既存の大手企業との協業の形で発展すると筆者は見ています。
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