WhiteblockのレポートによるEOSへの指摘の妥当性を考える whiteblockチームによるEOSIOの性能・セキュリティに関する調査に対する意見書
2018年12月30日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 1.レポート概要
- (1)背景
- (2)内容
- 2.意見の要約
- 3.総論 Democratic Cloud
- 4.上記#1〜#7項目についての詳細
これは11/6に発表されたwhiteblockチームによるEOSIOの性能・セキュリティに関する調査に対する日置玲於奈による個人的な見解を含む意見書である。
11/6のレポートに関する重大な事項のみに関して正当性を吟味し、中立な情報を明記することを目的とする。1章から3章までに要約を、4章に詳細を記す。
以下用語を次のように略す。
- ※選出されるDPoSノード・Block Producer =>BP
- ※EOSIO=>EOS
- ※EOS token =>token
1.レポート概要
(1)背景
Ethereumプロトコルの企業活用のアライアンスであるEthereum Enterprise Allianceの中核的役割を果たすConsenSys社は、Ethereumの競合とみなされるプロトコル、EOSの調査を社が持つブロックチェーン・プロジェクトの監査チームWhiteblockに依頼した。
(2)内容
Whiteblockチームは次が要旨となるレポート”EOS: An Architectural, Performance, and Economic Analysis”を11/6日に発表した
#1 全て作り直すべきである
総論としてEOSは機能不全であり、レイヤー1のプロトコルとしては根本から設計が間違っているため、全部作り直したほうが良い。
#2 ブロックチェーンではない
EOSは状態のステートの情報が同期されておらず、故にそれはBlockchainと呼べるものでなく、合意なしの分散クラウド(Distributed Cloud System)である。
#3 社会的信用に依存
EOSのDatabaseの正当性はノードの社会的信用に依存している
#4 非暗号学的
EOSのブロックは暗号学的に認証がされていない
#5 Blacklistにバグがある
悪いノードを検閲するためのBlackListに深刻なバグがあり、機能していない
#6 BPが既得権益化する
カルテルに対する耐性がなく、一度BPに選出されたら既得権益化する
#7 CPU利用料がブラックボックス
tokenはCPUの使用に応じてステークが定められるが、そのCPU使用料の計測はブラックボックスである。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。