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なぜ仮想通貨に関わるAML/CFTが国際社会で重視されているのか

2018年12月29日

目次

  • イントロ
  • 仮想通貨がはらむマネロンリスク
  • 仮想通貨に関わるAML/CFTの国際的な流れ
  • 既存金融市場におけるAML/CFTとの関わり
  • 今後の検討事項

イントロ

 本稿では、仮想通貨に関わるマネーロンダリング規制とテロ資金供与対策(Anti-Money Laundering/Countering the Financing of Terrorism、AML/CFT)が国際社会で重視されている理由について、国際金融の歴史から考察していきます。
 AML/CFTの他にもICO規制、税制、資本流出規制など、仮想通貨を巡り規制の必要性が叫ばれている分野は数多くありますが、主要国が立場を共にして規制強化を進めている分野は唯一AML/CFTのみと言えるでしょう。
 仮想通貨に関するAML/CFTは、2015年頃からG7・G20の首脳会議や財務大臣・中央銀行総裁会議で度々議題にのぼっており、AML/CFTをめぐる国際協力を推進する国際機関・FATF(Financial Action Task Force、金融作業部会)でも、仮想通貨に関わるAML/CFTの国際基準策定が進められています。
 FATFは2015年6月に仮想通貨規制に関するガイダンスを発表し、加盟国にリスクベース・アプローチに基づいた規制を求めてから、2018年6月にはそれを加盟国の義務であるスタンダード(基準)へと格上げする方向で検討を開始すると発表、さらには同年10月に、加盟国がAML/CFTのために取るべき措置として定めている「40の勧告」に、仮想通貨に関する条項が追加されました。
 他の分野には見られないほどのスピードで、仮想通貨に関わるAML/CFTをめぐる国際協力が進んでいる背景には、マネーロンダリング・テロ資金供与というイシューそのものの重大さと、既存金融市場においてのAML/CFTを巡る国際協力の歴史があります。
 本稿では、仮想通貨という新たな技術がもたらすリスクに対して国際社会がどう対応してきたのかを概観し、既存金融市場における国際協力の歴史を引き合いに出しながら、その重要性について考察します。
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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。