【論考】不利な土俵で戦わない|日本の予測市場が取るべき「ランキング勝負」の戦略案

2026年04月06日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提
  • 仮説|日本で予測市場をやるなら、Polymarketの真似はやめたほうがいいのではないか
  • 賭博法の壁は、突破するより避けたほうが早い
  • そもそも予測市場の面白さは「金を賭けること」なのか
  • 真剣勝負を生むのは、掛け金ではなく「記録が残ること」ではないか
  • 麻雀は、競技化によって健全に熱くなった
  • 予測もまた、ランキング化によって競技になる
  • 日本市場の勝ち筋は「市場」ではなく「競技」をつくることにあるのではないか
  • 総括

前提

先日、筆者は藤田晋氏の著書『勝負眼 「押し引き」を見極める思考と技術』を、推薦図書として「【特集:年越し選書】HashHubチームがこの年末年始に読んでいる、またはオススメの書籍」という記事でご紹介しましたが、本レポートでは、そこで触れられていた「競技麻雀」の思想を手がかりに、予測市場を日本で実装する際のアプローチについて考えてみたいと思います。
先に結論から申し上げると、ポイントとなるのは賭博の是非を論じることではなく、「どの土俵で戦えば勝てるか」という視点を持つことだと考えています。要するに、正攻法で賭博として予測市場を立ち上げようとしても、日本では法律の壁が厚く困難です。それよりも、麻雀におけるMリーグがそうであったように、勝てる土俵、すなわち合法で健全に熱中できる形にルールを設計し直す発想が重要になるはずです。
実際、お金をかけて麻雀をやっている人(違法だが)は、その場限りなので自分の金を払えばいいんだろうと適当に打ってしまう。一方、私のように競技麻雀に真剣に取り組んでいる人は、自分の成績が残るしランキングに影響するから、1ポイントたりとも無駄に失いたくない。話は逸れるが、最近の若い子たちはネット麻雀をしていて、お金をかけることもしないし、オンラインに残る成績で昇段したり降格したりするので、真剣に麻雀に取り組む人が増えた。麻雀も健全になっていることはお伝えしておきたい。

藤田 晋. 勝負眼 「押し引き」を見極める思考と技術 (文春e-book)

出典:https://hashhub-research.com/articles/2025-12-30-members-select-recommendations
予測市場とは本来、不確実な未来の出来事に対して人々が予測を投稿し合い、市場原理で「群衆の知恵」を引き出そうとする仕組みです。しかし、グローバル基準で注目されている「Polymarket」のように、暗号資産を使って予測に実質的な賭けを行うスタイルが主流になると、それは少なくとも日本国内では、『予測』というより一種のオンライン賭博と見なされるリスクがあります。
また、世界各国でも予測市場における規制はさまざまな議論が行われている最中であり、こうした動向は日本で同様のモデルをコピーすることのリスクを如実に示していると筆者は考えています。そこで本レポートでは、日本での予測市場の実装可能性を「賭博をどう合法化するか」という切り口ではなく、「予測をどう競技として成立させるか」という観点から考え直していきたいと思います。
なお、本レポートでは日本における制度面の論点にも一部触れますが、筆者は法律の専門家ではありません。記載内容は一般的な理解に基づく整理であり、個別案件の適法性や実務対応については、必ず弁護士等の専門家へご確認ください。

仮説|日本で予測市場をやるなら、Polymarketの真似はやめたほうがいいのではないか

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