ステーブルコイン普及で銀行預金は流出するのか?米国主要試算の比較と日本実務への接続
2026年03月27日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 1. 導入
- 2. 銀行預金流出の試算: Jefferies・FRB・IMFが示す前提と限界
- 2.1 Jefferiesの試算: 5年後の預金3%から5%流出
- 2.2 FRBの3シナリオ: 650億ドルから1兆2,600億ドルの幅
- 2.3 IMFの評価: 銀行リスクはまだ価格に織り込まれていない
- 3. 流出が顕在化しない構造: 利回り付きステーブルコインの普及と銀行預金の現状
- 3.1 規模の非対称性
- 3.2 流出を抑える3つのブレーキ
- 3.3 変化点になりうる経路
- 4. 規制の現在地: 制度文書で確認できることと、未成立法案が示す方向性
- 4.1 制度文書と当局発言から確認できること
- 4.2 未成立法案が示す制度設計の方向性
- 5. 脅威と機会の並存: リスクの高い銀行像と発行者転換のシナリオ
- 6. 結論: 日本の金融機関への示唆
- 6.1 日本で確認できる前提
- 6.2 今から取るべき検討
1. 導入
ステーブルコイン普及が銀行預金をどこまで置き換えうるのかは、銀行の資金調達と貸出余力を考えるうえで無視できない論点になりつつある。
この時期、複数の金融当局と調査機関が、ステーブルコイン普及に伴う銀行預金からステーブルコインへの資金シフトをほぼ同時に論じ始めた。2026年3月12日現在のところ、主要ステーブルコインの供給量は2,732億ドルである。
他方で、利回り付きステーブルコインはすでに数年にわたり運用されているにもかかわらず、少なくともマクロ統計上は大規模な預金流出は確認されていない。試算報告が示す脅威と、現実に観測されている銀行預金の動きの間には乖離がある。
本レポートは、金融機関の実務者を主に想定し、主要試算の前提と限界、流出が顕在化していない構造的要因、そして関連する規制文書から確認できることと未確定な論点を整理する。最終的に現状を踏まえて、日本の金融機関が「どの条件変化をリスクシグナルとして見るべきか」という判断軸を論じる。
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