Crypto Native Cash構想の整理―現金的UXをオンチェーン設計として再構成する試み―

2026年01月21日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • はじめに:この構想をどういう前提で読むか
  • Crypto Native Cashの基本構想:何を「現金」に近づけようとしているのか
  • 三つの鍵によるガバナンス設計:現金とアカウントの中間
  • 移動・紛失・破壊という考え方:価値の移動を一種類にしない設計
  • 設計実験としてのCrypto Native Cash:用途ではなく構造から考える

はじめに:この構想をどういう前提で読むか

​​暗号資産やDeFiの設計をめぐっては、価値をどのような形で保持し、どのように人から人へ移転させるかという点が、これまで繰り返し議論されてきました。その文脈の中で、物理的な紙幣/硬貨のようなオブジェクトにオンチェーンの価値を結びつけるという発想も、過去に何度か提案されてきたものの一つです。こうした経緯から、このテーマは新規性を感じにくいだけでなく、すでにスマートフォンやカードによる支払いが日常化している現在においては、「何が問題で、なぜ物理的な形態を再び持ち出す必要があるのか」が直感的に結びつきにくい側面もあります。
正直なところ、こうした構想が具体的にどのような場面で役に立つのか、あるいはどれほどの実需を持ちうるのかは、現時点でははっきりしていません。ただし、暗号資産やDeFiの文脈では、「すぐに実用化されるかどうか」とは別に、価値の持たせ方や権利構造そのものを再設計する試みが、後続の応用や議論の土台になることも少なくありません。
本レポートでは、そのような前提に立ったうえで、Ethereum Research(ethresear.ch)上において Citrullin という投稿者が公開した「Crypto Native Cash」という構想に焦点を当てます。これは実装済みのプロジェクトや標準仕様ではなく、現時点で提示されているアイデアベースの提案です。本稿では、この構想を「正しいかどうか」「普及するかどうか」で評価するのではなく、今この時点で、物理的なオブジェクトにオンチェーン価値を結びつける試みが、どのような構造として提示されているのかを理解することを目的とします。
具体的には、Crypto Native Cash がどのような前提で設計され、これまでの物理×暗号資産の発想と比べて何を再設計しようとしているのか、また「現金的なUX」をどのように暗号資産の仕組みの中で分解・再構成しているのか、という点に絞って見ていきます。用途がまだ定まっていないことや、評価軸が従来の決済手段とは異なる可能性も含めて、現時点で提示されている設計案として整理していきます。
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