昨今、生成AIの発展に伴い、人間の指示に従って自律的に行動するAIエージェントへの注目が高まっていますが、こうしたAIエージェント同士が協調し合い、信頼できる形で取引や情報交換を行うには必要なことは何かについての議論も、同時に進みつつあります。

そうした背景のもと背景のもと、実はEthereumコミュニティでは現在「ERC-8004」という新たな標準提案が大きな話題となっています。ERC-8004は「トラストレス・エージェント (Trustless Agents)」と呼ばれるEthereumの標準規格で、信頼を前提としないAIエージェント同士のコラボレーションを可能にすることを目指しています。

この提案は、2025年8月にEthereum Foundationの開発者Davide Crapis氏らによって提示され、公開議論が行われていますが、AIとブロックチェーン（特にEthereum）との交差点に現れたこの新標準が、ETH投資家や開発者から大きな期待を集めています。

では、ERC-8004とは具体的に何を目指し、どのようにAIやNFTと関わってくるのか。本レポートではその概要と背景、ユースケース、そしてEthereumにもたらす可能性について、筆者の私見を交えつつ考察します。