Web3.0における最新資金調達トレンド分析 #43
2024年10月20日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- #43_資金調達の潮流
- 1.「2024年10月」
- 2.「直近1週間」
- 2.1.大手ブロックチェーン開発企業「Blockstream」、Fulgur Ventures主導の2億1000万ドルの資金調達を完了
- 2.2.アフリカを拠点とする暗号資産取引&決済企業の「Yellow Card」、3,300万ドルのシリーズCファンディングを終了し、グローバル拡大と戦略的イニシアティブを推進
- 2.3.デリバティブ取引所Bitnomial社、Ripple Labsをリードに2,500万ドルを調達し、米国で新しい先物取引プラットフォーム開始
- 2.4.Azra GamesがPantera Capital主導のシリーズAラウンドで4,270万ドルを調達
- 2.5.Bitcoin Staking Platform「Solv」、評価額2億ドルで新たに1,100万ドルを調達し、総資金調達額が2,500万ドルに達したことを発表
- 3.「2024年度Q4」
- 3.1.資金調達を実施したプロジェクトのワードクラウド
- 3.2.ラウンド別分布
- 3.3.資金調達が活発なカテゴリー
- 4.投資会社(投資家)の動向
- 4.1.直近一週間の出資フロー
- 4.2.活発な投資会社の特定(四半期別)
- 5.補足資料
- Infra
- DeFi
- Games
- Social
- CeFi
- その他
前提
本シリーズでは、どのようなWeb3.0関連のスタートアップやプロジェクトに資金が集まっているのか、その最新の傾向とパターンを解説します。今回の#43では、2024年10月12日から2024年10月18日にかけての資金調達活動を調査し、どのカテゴリーが最も注目を集め、どのような特徴が見られるのかを分析しています。
【今週の主な話題】
- 大手ブロックチェーン開発企業「Blockstream」、Fulgur Ventures主導の2億1000万ドルの資金調達を完了
- アフリカを拠点とする暗号資産取引&決済企業の「Yellow Card」、3,300万ドルのシリーズCファンディングを終了し、グローバル拡大と戦略的イニシアティブを推進
- デリバティブ取引所Bitnomial社、Ripple Labsをリードに2,500万ドルを調達し、米国で新しい先物取引プラットフォーム開始
- Azra GamesがPantera Capital主導のシリーズAラウンドで4,270万ドルを調達
- Bitcoin Staking Platform「Solv」、評価額2億ドルで新たに1,100万ドルを調達し、総資金調達額が2,500万ドルに達したことを発表
- ネットワーク国家プロジェクト「Praxis」、$525Mの資金調達
※本レポートでは当該期間中のトレンドのみを取り上げて解説します。各プロジェクト概要は添付リストの概要欄及び参照URLをご参考ください。
#43_資金調達の潮流
※グラフ記載の$_Mは当該期間中の調達合計、(_cases)は調達したプロジェクト件数を表しています。なお、資金調達報告は確認されているものの調達額が公開されていない場合は、ケースとしてカウントしてはいますが、調達額の計算には含んではいません。
以下、「2024年10月」「直近1週間」「2024年度Q4」の資金調達の潮流を概説します。
1.「2024年10月」
調査時点で観測している10月の投資ラウンド件数は計51件、公開情報に基づく調達額は約$1.04B(※非公開情報を含まない金額)の資金調達報告を確認しています。
2.「直近1週間」
直近一週間の投資ラウンド件数/週は29件、公開情報に基づく調達額/週は約$945M(※非公開情報は含まれません)です。
この期間中、公開された資金調達額ではその他($735M/2件)、CeFiセクター($58M/2件)、インフラセクター($47.5M/9件)の順に多くの資金調達報告を確認しています。
より細かな分類(上図)では、その他の暗号資産を用いた都市建設プロジェクトPraxis($525M)やBlockstreamを含むBlockchain development company($210M/1件)、Yellow Card、Bitnomialを含むCEX関連($58M/2件)、Azra Gamesを含むゲーム開発関連($42M/1件)に比較的多くの資金が流れていることを確認できます。
2.1.大手ブロックチェーン開発企業「Blockstream」、Fulgur Ventures主導の2億1000万ドルの資金調達を完了
大手ブロックチェーン開発企業のBlockstreamがFulgur Ventures主導の2億1000万ドルの資金調達を完了。
この資金は、レイヤー2の開発、次のビットコインサイクルに向けたマイニングの拡大、そして世界最大級のビットコイン準備金の拡充に充てられます。またBlockstreamが開発するBitcoin L2の「Liquid Network」および「Greenlight」を通じて、企業向けのスケーラブルで安全なビットコインツールを提供し、リアルワールド資産のトークン化を進めるとしています。
Liquid NetworkはBitcoin上のステーブルコインやセキュリティトークン、その他デジタルアセット(将来的には債権トークン化をサポート予定)の発行や決済機能をサポートするBitcoin Layer2ソリューションです。
一方のGreenlightはユーザーの代わりにLightningノードのプロビジョニングと管理を行ってくれるサービスです。有料のEnterpriseプランに加えて、Lightningのお試し利用ができるように~1,000のオンデマンドLightningノードを利用できる無料プランも提供中(執筆現在は有効期限なしで利用可能)。
なお、無料プランのオンデマンド版は決済処理の実行を求められたときのみ起動し、処理が完了するとスリープモードに入ります。24時間365日稼働させたい場合は別途問い合わせが必要とのこと。
詳細は添付の公式サイトまたは各プロジェクトのドキュメントをご参考ください。
[参考]
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。