Web3.0における最新資金調達トレンド分析 #37
2024年09月08日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- #37_資金調達の潮流
前提
本シリーズでは、どのようなWeb3.0関連のスタートアップやプロジェクトに資金が集まっているのか、その最新の傾向とパターンを解説します。今回の#37では、2024年8月31日から2024年9月6日にかけての資金調達活動を調査し、どのカテゴリーが最も注目を集め、どのような特徴が見られるのかを分析しています。
【今週の主な話題】
- ブロックチェーンゲームに特化したWeb3プラットフォーム「Balance」を開発するE-PALチーム、Andreessen Horowitz (a16z) やGalaxy Interactive主導で3000万ドルを調達
- 禁煙toEarn(Vape2Earn)を謳う「Puffpaw」、600万ドルのシード資金を調達
- Web3セキュリティ企業「Hypernative」、QuantstampやCMT Digitalを含む投資家から1600万ドルのシリーズA資金を調達
- Pencils Protocol、8000万ドルの評価額でDePIN X、Taisu Ventures等から資金調達
- ユニバーサルZKロールアップの開発に焦点を当てたレイヤ2スケーリングソリューション「Kroma」、シリーズA資金を調達
※本レポートでは当該期間中のトレンドのみを取り上げて解説します。各プロジェクト概要は添付リストの概要欄及び参照URLをご参考ください。
#37_資金調達の潮流
※グラフ記載の$_Mは当該期間中の調達合計、(_cases)は調達したプロジェクト件数を表しています。なお、資金調達報告は確認されているものの調達額が公開されていない場合は、ケースとしてカウントしてはいますが、調達額の計算には含んではいません。
以下、「2024年9月」「直近1週間」「2024年度Q3」の資金調達の潮流を概説します。
1.「2024年9月」
調査時点で観測している9月の投資ラウンド件数は計17件、公開情報に基づく調達額は約$0.07B(※非公開情報を含まない金額)の資金調達報告を確認しています。
2.「直近1週間」
直近一週間の投資ラウンド件数/週は17件、公開情報に基づく調達額/週は約$66M(※非公開情報を含まない金額)です。
この期間中、公開された資金調達額ではゲームセクター($32.8M)、ツールセクター($21M)、インフラセクター($6.94M)の順に大きく、件数ではインフラ(4件)、ゲーム、ツール、DeFi、Socialがそれぞれ3件づつの資金調達報告を確認しています。
より細かな分類(上図)では、ゲームプラットフォーム($30M/2件)、セキュリティソリューション($16M/1件)、DePIN($6.94M/1件)関連に比較的多くの資金が流れていることを確認できます。
2.1.ブロックチェーンゲームに特化したWeb3プラットフォーム「Balance」を開発するE-PALチーム、Andreessen Horowitz (a16z) やGalaxy Interactive主導で3000万ドルを調達
ブロックチェーンゲームに特化したWeb3プラットフォーム「Balance」を開発するE-PALチームがAndreessen Horowitz (a16z) やGalaxy Interactive主導で3000万ドルを調達しました。
なおE-PALは北米のゲーミングコンパニオンプラットフォームであり、2020年3月にバージョン1.0をリリース。その後、同年9月にAndreessen Horowitz (a16z) 主導のシードラウンドで300万ドルを調達、翌年2021年7月にはGalaxy Interactive主導のシリーズAを完了しているという背景があります。
同社は2022年頃からWeb3セクターの模索を開始し、翌年2023年にweb3チームを設立し、Balance zkEVMを開発。今年2024年3月にBalance zkEVMのテストネットをローンチし、同時にBalance Platformの開発を開始。調査現在はロードマップ上はBalance zkEVMをメインネットローンチ、Balance Platformにいくつかの機能を実装済みとしています。
「Balance」は80以上のWeb3ゲーム企業と提携しており、ゲーマー、開発者、パブリッシャー向けにゲームNFTの立ち上げ、統合NFTマーケットプレイス、さまざまなプロトコルツール、そしてバランスチェーンやステーブルコインシステムなどのインフラを提供してます。
なお、今後実装予定の同プロジェクトのEPTトークンはBalance PlatformとBalance ZKEVMのガバナンストークンとされています。
ガバナンス機能に用いられるほかに、アプリケーション構築手数料や決済手数料、ステーキング等々に用いられる計画です。EPTの分配は以下の図の通りです。
[参考]
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。