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TRONの躍進、Sun.pumpによる儲けのからくりを解説

2024年09月05日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 1.Sun.pumpによるTRX需要増はどのように引き起こされたのか
少しだけ、闇深いお話も含まれますが、TRONの躍進、Sun.pumpによる儲けのからくりを解説します。

出典:Coingecko
8月中旬以降、調査時点までのおよそ過去2週間は、特にTRONを中心にした市場が活発化していたように思います。調査現在のTRONのネイティブトークンTRXの時価総額はおよそ$13B、Coingeckoでの時価総額ランクはCardano、Toncoinを抜いて10位を記録しています。

過去7日間の上位コントラクト(出典:tronscan)
特に8月中旬以降はSolana上のPump.funを模したとされるミームコインローンチパッドSun.pumpの躍進が目立ち、Sundog等の関連ミームコインが界隈の耳目を集めました。結果は上図の通り、調査時点過去7日間のTronの上位コントラクトには(USDTが8割以上を占めてはいますが)SunPumpSwapRouter、SUN:LaunchPadProxy、SunPumpSmartRouter、SunswapV2Router02などのSun pumpに直接or間接的に関連するコントラクトが多く含まれています。

今回のTRXの時価総額増および市場価格増はSun.pumpの登場とほぼ同時期から発生していますので、Sun.pumpをきっかけにしたTRX焼却(バーン)が進んだことに加えて、TRXそのものの需要増も引き起こしたのではないかと推察されます。

では、どのようにしてTRXそのものの需要を増やしていたのか。次節からはこの点について、もう少しだけ踏み込んでその実態を調べていきたいと思います。
[Pump.fun関連レポート]

1.Sun.pumpによるTRX需要増はどのように引き起こされたのか

Sun.pump取引画面(https://sunpump.meme/token/TQbgA7LaUCQz4jqrzgQe6F9ySs1n6Bh8Vu)
上はSun.pumpの取引画面を示しています。SolanaのPump.funとは異なり、鋳造者とコミュニケーションをとれるチャット機能は質素なデザインでほぼ機能しておらず、シンプルにBuy,Sellだけが強調された絆無縁の潔い仕様を採用しています。
また、上画像では「トークン販売開始直後に価格が急騰し、その数分後に急落するという現象」が見られますが、これはSun.pumpでよくみられる典型的な価格推移の形です。
何が起きているのかは、そのミームコインの鋳造方法を知ることでおおよそは察することができます。

Sun.pumpのミームコイン鋳造画面(出典:https://sunpump.meme/launch)
上はSun.pumpのミームコイン鋳造画面を表示しています。必須項目の*印は
  1. Image(ミームコインの画像)
  2. Token Name(トークン名称)
  3. Token Symbol(ティッカー)
  4. Token Description(トークンの説明)
の4点入力のみです。画像含めて、いずれの項目もLLMベースの生成AI(Chatgpt等)で簡単に生成できますから、適当なプロンプトで誰もが簡単に数分程度で作成することができる項目ばかりです。
そして注目すべきは最後のオプション項目[Initial Buy]です。これは鋳造者が任意のトークンをTRX建で購入ができますというオプションです。
Pump.funにもこれと同じオプションは存在するのですが、必要項目を埋めた後の次ページに表示されるため、ミームコイン鋳造に挑んだ方でないと気付けないオプション項目ではあります。

取引履歴画面(出典:https://sunpump.meme/token/TQbgA7LaUCQz4jqrzgQe6F9ySs1n6Bh8Vu)
改めて、先ほどの取引画面に表示されていた取引履歴(上画像)を眺めてみましょう。
一番下のTGGf…Y3L7がミームコイン鋳造者です。鋳造時にオプションで4200TRX分を購入していることがわかります。その後すぐにTFQw…Eyxpが800TRX分を購入、それに続く複数のアドレスが少額購入し、その数分後に2番目に購入したTFQw…Eyxpが全額売却し、793.34TRXを取得。その直後に鋳造者TGGf…Y3L7が全額売却し、4,161.97TRXを取得。

「え、何してんの…」って思いますよね。損してますから。

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