BerachainのProof of Liquidityの概要と懸念を考察する
2024年05月08日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- このレポートの焦点
- Berachainの提案するProof of Liquidity
- Proof of Stake(PoS)の課題
- PoLの特徴と仕組み
- PoSとの違いと改善点 - Proof of Liquidityの本質
- 3トークンモデル (BGT, BERA, HONEY) の役割
- Berachainのエコシステム
- BEX・Bend・Berpsの概要
- インセンティブ設計とユーザー・開発者・資本の呼び込み戦略
- ガバナンスモデルとバリデーターの役割
- Berachainが内包する課題を考察する
- ①大口の流動性提供者にBGTが集中する
- ②BGTのインフレ率管理の問題
- ③他のチェーンからの主要なDappsのオンボーディングを妨げる可能性
- ④流動性の急激な変動や、インセンティブ目的の短期的な資金流入リスク
- ⑤リキッドステーキングとの比較優位性
- 総括
前提
新たなL1ブロックチェーンの登場が続く中、Berachainは独自のコンセンサスメカニズムProof of Liquidity(PoL)を導入することで注目されています。PoLは、ステークの分散化と流動性の確保を同時に実現することを目指しており、従来のProof of Stake(PoS)が抱える課題を解消する可能性を秘めているとされています。
BerachainはEVMとの互換性を維持しながら、バリデーター、プロトコル、ユーザー間のインセンティブを巧みに調整し、エコシステム全体の持続的な成長を促すことを目的としています。
この新しいアプローチは、DeFiに新風を吹き込み、より効率的かつ公平なインセンティブ設計のモデルケースとなるかもしれません。
そこで本レポートは、Berachainの技術とそのポテンシャルを分析することで、読者が現状と新たな可能性を理解する一助となることを目指しています。
このレポートの焦点
Berachainの以下の内容を解説します。
- PoLの特徴と仕組み、およびPoSとの違いと改善点
- Berachain独自の3トークンモデル(BGT、BERA、HONEY)の役割
- BEX、Bend、Berpsなど、Berachainエコシステムを構成する主要なアプリケーション
- ユーザー、開発者、投資家を引き付けるインセンティブ設計とガバナンスモデル
- PoLの実現可能性と、技術的・経済的な課題についての考察
Berachainは、これまでに2回の資金調達ラウンドを実施し、総額1億4200万ドルの資金を調達しています。直近の資金調達は、2024年4月12日に行われたシリーズBラウンドです。合計26の投資家から資金提供を受けており、最新の投資家はSamsung NEXTとCypher Capitalが参加しています。
今後、メインネットローンチに向けて開発がすすめられています。執筆現在ではテストネット段階のため、本当にPoLを中心としたエコシステムがワークするのかという目線での考察を行います。
Berachainに関するリンク
- 公式サイト:https://www.berachain.com/
- ドキュメント:https://docs.berachain.com/
- テストネットFaucetとアプリケーションエクスプローラー:https://artio.faucet.berachain.com/
- X:https://twitter.com/berachain
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。