Web3.0における最新資金調達トレンド分析 #16
2024年04月14日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- 1.[Infra]
- 2.[Mining]
- 3.[Games]
- 4.[DeFi]
- 5.[Social]
- 6.[Tools]
- 7.[その他]
前提
本シリーズでは、どのようなWeb3.0関連のスタートアップやプロジェクトに資金が集まっているのか、その最新の傾向とパターンを解説します。今回の#16では、2024年4月6日から2024年4月12日にかけての資金調達活動を調査し、どのカテゴリーが最も注目を集め、どのような特徴が見られるのかを分析しています。
※本レポートでは当該期間中のトレンドのみを取り上げて解説します。各プロジェクト概要は添付リストの概要欄及び参照URLをご参考ください。
【要旨】#16_資金調達の潮流|「Parallel EVM」と「EVM互換L1」への大規模資金流入
※グラフ記載の$_Mは当該期間中の調達合計、(_cases)は調達したプロジェクト件数を表しています。なお、資金調達報告は確認されているものの調達額が公開されていない場合は、ケースとしてカウントしてはいますが、調達額の計算には含んではいません。
上記スライドは、「直近1週間」「2024年度」そして「2014年以降」の資金調達総額の推移をグラフで示したものです。
「直近1週間」
直近一週間でWeb3セクターに約516Mの資金が投じられ、これは過去数週間に比べてほぼ倍増しています。特に目を引くのは、InfraセクターでParallel EVMを開発する「Monad」がParadigmの主導で$225Mの大規模な資金調達を行ったこと、そしてミームを起源とするCosmos SDKベースのレイヤー1ブロックチェーン「Berachain」がFramework VenturesとBH Digitalの主導でシリーズBラウンドにて評価額$1.5Bで$100Mを調達したことです。これらの大きな動きが、業界全体の注目を集めています。
各セクターでの資金調達の詳細と内訳については、添付のツリーマップでご確認いただけます。
「2024年度」
「2024年度」における資金調達の状況は、約$3.23Bに達し、合計で490件の事例が記録されています。この中でも、インフラストラクチャー関連のプロジェクトが資金集めにおいて最も盛んであり、その後を中央集権型金融(CeFi)、Gamesが追っています。
次節以降は各セクターごとの「①傾向分析」「②投資家(VC)-プロジェクト-カテゴリー間の出資フロー分析」および、「③各プロジェクトの概要紹介」を行なっていきます。
調査期間中に観測されたほぼ全ての資金調達事例を網羅しており、内容が非常に豊富です。全体を読むのが難しい場合は、特に関心のある分野に焦点を当てて読むことを推奨します。
1.[Infra]
上グラフは24年度1月1日以降、調査時点までのInfraセクターの資金調達累積額の推移を表しています。#16の調査時点では累計$1,659.3M、178件の資金調達を確認しています。中でも、モジュラーブロックチェーンに関連する資金調達が最も盛んであり、その後にLayer1、Parallel EVMが続く結果となりました。
最近一週間のWeb3セクターへの資金流入は顕著で、特にParallel EVMを開発する「Monad」への$225Mの調達と、レイヤー1ブロックチェーン「Berachain」への$100Mの調達が目立っています。また、Bitcoin Layer2セクターへの投資も活発に続いており、中でも「Mezo」への$21Mの調達は注目される動きでした。
この他にもAI関連の資金調達が4件報告されており、具体的な調達額は非公開のものが多いですが、その活発化は注目に値します。
これらのプロジェクトと投資家間の出資の流れについては、続くスライドをご参考ください。
※各プロジェクトの概要は下記添付リスト及び文末の参照URLをご参考ください。
Parallel EVM
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。