トップNFTマーケットプレイスOpenSeaはいかにそのビジネスモデルを失ったか
2024年03月13日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- OpenSeaとNFT市場を表す様々なデータ(2024年3月時点)
- 前提知識としてのNFTにおけるロイヤリティ
- OpenSeaが新興NFTマーケットプレイスとの競争の中でビジネスモデルが揺らいだ歴史
- 手数料削除ができるアグリゲーターsudoswap(2022年前半)
- X2Y2のロイヤリティ選択機能(2022年中盤)
- Blurの登場でNFTロイヤリティ減少がさらに顕著に(2022年後半-2023年)
- 2023年〜現在
- OpenSeaはどのように対応するべきだったか
- 総括
前提
本レポートでは、OpenSeaの売上減少・シェア衰退からWeb3事業者が学べることを筆者の視点で考察します。
OpenSeaは2021年以前、寡占状態を実現したトップNFTマーケットプレイスでした。しかしながら現在、その地位は大きく揺らいでおり、同社は大きな困難に直面しています。
NFT市場全体が縮小し、その中でOpenSeaのシェアも縮小、同社の売上は大きく下落しました。またそのビジネスモデル自体も揺らいでいます。
Bloombergの報道によると、同社に投資をしたヘッジファンドTiger ManagementはOpenSeaの簿価価値を95%減損をしたと伝えました。またOpenSeaは従業員の半数をレイオフしました。
予め断っておきますがOpenSeaは現在も存続する企業であり、そのプロダクトにはユーザーもいて価値を市場に提供しています。今後、勢いを取り戻す可能性もあるかもしれません。
しかし、それでもかつてNFTマーケットプレイスの代名詞的存在であったOpenSeaがいかにその優位性を明け渡し、ビジネスモデルが成立しなくなったかの過程を振り返ることは、Web3領域の多くの事業者・起業家にとって学びを得れるはずです。またあくまで外野からのタラレバにはなりますが、OpenSeaはどのように対応すればもう少し競争力を維持できたか思考実験をすることも無意味ではないはずです。
そのような考えから、今回は、OpenSeaと新興NFTマーケットプレイスとの競争の中で同社ビジネスモデルが揺らいだ背景を解説し、OpenSeaはどのように対応するべきだったかを筆者の視点で解説します。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。