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Resolv|デルターニュートラル戦略ステーブルコインUSRと保険レイヤートークンRLPの概要とリスク、Ethenaとの比較考察

2025年01月10日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • Resolvの概要
    • USRとRLPの役割
    • デルタニュートラル戦略のメカニズム
  • Ethena/USDeとの比較、およびResolvのリスクの考察
  • Resolvエコシステムとポイント配布の概要
  • 総括
暗号資産市場、特にDeFi(分散型金融)において、最もマーケットフィットしている資産(トークン)は法定通貨建てのステーブルコイン、といわれることがあります。ステーブルコインはそれを裏付ける資産、価格を維持させる方法などで複数の分類が可能ですが、
  • 収益を投資家に発生させない
  • 収益を投資家に発生させる
と大別することもできます。
前者は、USDTやUSDCが該当し(厳密には運用することで収益を生み出すことは可能)、執筆現在は供給発行がは最高値を更新していますが、近年では後者のステーブルコインの発行量も増加、多様化しています。
本レポートでは、発行量・TVLを共に増加させているResolv、およびこのプロトコルが発行を行う収益を投資家にもたらすステーブルコインUSR、保険レイヤーとして機能するトークンRLPについて、その仕組みやリスク、エコシステムの現状について解説します。

2024年12月頃よりTVLが上昇し始め、2025年1月現在でTVLは5億ドルを超えた。出典:DeFiLlama https://defillama.com/protocol/resolv#information


USRは、1ドルにペグするステーブルコインでETHを過剰担保として発行しつつ、先物ショートを組み合わせるデルターニュートラル戦略によって価格変動リスクを抑えてペグさせる構造をしています。また、RLPは、USRをペグを維持するためにプロトコル(ひいては投資家)が負担する損失リスクをカバーする役割のあるトークンです。
同様の戦略を取るステーブルコインには、EthenaのUSDeなどが挙げられますが、ResolvはRLPを用いて投資家の損失を保護するなど、アプローチに差異があります。このレポートでは、これらの比較を行うことで理解を深めます。
また、現在はResolvはトークンを発行しておらず、将来のトークン$RESOLVを発行(エアドロップ)を示唆するポイント配布を行っています。読者はこのレポートを通じて、基本的な概要やリスクを理解し、必要に応じてエクスポージャーを得るきっかけとすることができます。

Resolv関連リンク

Resolvの概要

Resolvの最も大きな特徴は、ステーブルコイン(USR)の裏付けをETHとし、さらに先物ショートを行うことでドル建て価値を安定させる設計にあるという点です。
ユーザーは、USDCやUSDTといった資産を預けること(スワップすること)で1:1の価値でUSRをミントでき、プロトコルの裏側では、受け取った資産をETHに交換したうえで、オンチェーンのステーキングと先物ショートを使った「デルタニュートラル運用」を組み立てます。
デルタニュートラルとは、現物ロングと先物ショートを同時に保有することで価格変動リスクをほぼ相殺し、価格変動差を中立にする戦略で、このような戦略を取るステーブルコインは、Basis Trading型とも呼称され、これらはステーキング報酬やファンディングレートなどの安定した収益を狙う戦略を兼ね備えています。
この戦略を機能させるために、Resolvは複数の取引所を活用し、オンチェーン・オフチェーン双方の仕組みでETHをステーキングしています。wstETHやwbETH、apxETHなどのリキッドステーキングトークンを保有し、それらをステーキングプールに預けることで利回りを得つつ、オフチェーンやオンチェーンの先物取引所でショートを構築することで価格変動を抑えています。
Hyperliquidのようなオンチェーンで動作するDEXを用いた先物も利用されており、中央集権型取引所(CEX)と分散型取引所(DEX)の両面を組み合わせているのが特徴です。

USRとRLPの役割

Resolvでは、ステーブルコインの安定性と投資家の多様なニーズに応えるため、USRとRLPという二種類のトークンを用意しています。
USRは、常に1ドルの価値をめざして設計されたステーブルコインであり、担保や使用している取引所はすべて公開されています。
USRそのものは利回りを生みませんが、ステーキングするとstUSRを受け取ることができ、これによってプロトコル収益から生まれる利回りを得る事が可能です。ステーキングの仕組みはUSDeと変わりません。

https://app.resolv.xyz/overview


一方で、何らかの損失が発生したときに先に価値が毀損するよう設計されているのがRLPです。

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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。