「失敗から学ぶNFT戦略」特集|PORSCHΞ 911を事例に
2023年01月29日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- ■ミントイベント準備段階のポルシェNFT戦略
- ポルシェはNFTをどのように活用するつもりなのか
- 目標の設定方法:対象顧客、NFT総鋳造数、一時販売価格、配布方法は如何に決まったのか
- ■ミントイベント時、及びイベント終了後のNFT戦略の動向
- ■ポルシェNFTの失敗を整理する
- 1.「価格設定」「流通(供給)」戦略の失敗
- 2.NFT像に対する認識にズレがある可能性
- 総括|ポルシェ911NFTの今後の動向に対する私見
前提
自動車メーカー「ポルシェ」がリリースしたNFTシリーズは失敗か成功か、2023年1月に行われたポルシェ911をモチーフにしたNFTシリーズのミントイベント開始数時間後には売れ行きの不調、ミント価格0.911ETHを割るひどいパフォーマンス、コミュニティからの反発により開始数時間後には失敗の烙印を押されたかのように思われました。
しかし、界隈の反発を受けたその数時間後に当初予定していた総鋳造数7,500を大きく下回る2,363枚が鋳造された段階でパブリックミントイベント中止を公表(下記ツイート)。
予定外のミントイベント中止はサプライショックを引き起こし、市場を混乱させ、一時ミント価格を割っていたポルシェNFT価格は3ETH近くまで上昇。この現象を見て、「ポルシェNFTはブルーチップになるかもしれない」といった数時間前までは考え難かった真逆の反応がソーシャルネットワーク上でなされる事態となりました。
その一時的な批判、一時的な熱狂も冷め始めてはいますが、ミントイベントから数日経た執筆時点でもポルシェ911NFTの二次流通価格はミント価格を上回るフロア価格2.1ETH前後で推移しています。
ポルシェNFTは失敗だったのか、成功だったのか、執筆時点でその結論を出すのはあまりに早計ではないかと感じますが、少なくともこの一連の騒動、そしてその前後のポルシェの動向はNFT戦略を検討しているブランド企業にとっては得られる学びもあるだろうと筆者は感じています。
今回はこのポルシェのNFT戦略の準備段階から鋳造、配布イベント振り返り、実際の界隈の反応と照らし合わせながら上手くいった点、上手くいかなった点を整理していきます。また最後に、執筆時点で示されているロードマップを確認しながら、今後考えられる方向性について筆者考察を行います。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。