SAFE(旧Gnosis Safe)の概要 業界で最も採用されているマルチシグウォレット
2022年10月07日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- SAFE(旧Gnosis Safe)の略歴
- SAFE(旧Gnosis Safe)の使い方や仕組み
- SAFEトークンの概要
- SAFEトークンの用途
- トークンディストリビューション
- 総括
前提
本レポートでは、SAFE(旧Gnosis )の概要について解説します。
SAFEは2017年にEthereum上でローンチをしたマルチシグウォレットで、スマートコントラストベースのマルチシグウォレットとしては業界で最も採用されているプロダクトです。
マルチシグとは、解錠するために複数の秘密鍵が必要なウォレットを指します。「秘密鍵を1つなくしたら当該ウォレットが保有する資産を全て失ってしまう」という性質の暗号資産の保管を、より強固なセキュリティにするために最も現実的な解決策になっています。鍵を例えば3つ分散して持って2つの署名が集まったらトランザクションを実行できるという形式です。
主な使用用途として、個人・組織でそれ以下のような動機で利用されています。
組織(株式会社・DAO・コミュニティ):
組織の資産を管理。一人の鍵管理に依存せず、例えば5人で鍵を保管するなど。一人で鍵を保有することによる、コアチームの内部犯行や、単一の鍵保有者に不幸があって鍵署名ができず資産が凍結されるなどのリスクを減らす。
個人:
個人の資産管理としても利用ができる。例えば2/3のマルチシグを作る。1つはPCデバイス、1つはハードウェアウォレット、1つは金庫保管。普段はPCデバイスとハードウェアウォレットで署名をして、どちらか1つが流出しても問題ない状態を確保して、もしPCデバイスが壊れてしまっても金庫にある鍵でリカバリーなどができる。
SAFEはこのマルチシグウォレットのソフトウェアをオープンソースで公開して、2022年10月現在で、10万アカウントが$38Billionの資産を保管しています。また、これ以外位にもCryptoPunksなど高額なNFTの多くがSAFEで作られたアカウントによって保管されています。
DeFiで高額な資金を運用するトレーダーや、トレジャリーを管理するDAOのかなりの割合がSAFEのアカウントを作っています。暗号資産・web3業界における重要なインフラストラクチャーの1つになっています。
今回は同プロダクトの概要と、独自トークンのSAFEについて解説をします。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。