ペッグ通貨の歴史と必要な要件
2022年06月14日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- 既存金融にみるペッグ通貨とリスク
- 暗号資産の世界におけるペッグトークン
- 総論
前提
本レポートではペッグ通貨について既存金融における事例を交えて考察と解説を行います。
【Executive Summary】
- アルゴリズム型ステーブルトークンUST(TERRA/LUNA)におけるデス・スパイラルによってドルとのペッグ(等価)が維持できなくなった事象、資産裏付け型ステーブルトークンUSDTのペッグが一時的に外れた出来事などがあり、ステーブルトークンにはペッグを維持する事が可能なものと、できないものがあります。
- また、昨今はstETH-ETHのようにソフトペッグトークンがペッグを維持できていないという問題も発生しています。
- このような事象によりペッグを維持することの難しさとペッグ維持のためのオペレーションが重要であることが浮き彫りになったと考えられます。
- DeFiの世界においてのみペッグが外れるということが起きているのではなく、既存金融の世界においてもポンド危機、アジア通貨危機、リーマンショックの影響でリザーブ社(The Reserve)が運用する MMF(Money Market Fund)であるプライマリー・ファンド(Primary Fund)の基準価額が、額面 1ドルを割り込んだ事件など、ペッグ通貨とペッグの維持ができなくなる出来事は枚挙に暇がありません。
- 本レポートでは、実体経済におけるペッグ通貨の問題点を考えることで、ペッグを維持するためにはどのような要素が重要であるのかを考察していきます。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。