NFT価値の源泉を問う【後編】|「没個性的な」がみせるNFTの臨界点

目次

  • 前提
  • 「個性的な」と「没個性的な」の狭間に生じたNFT市場【後編】
  • 総論|物質文明、市場経済、資本経済が緩やかにつながるNFTの未来

前提

本レポートはNFT価値の源泉を問う【前編】に続く【後編】レポートです。

前編では主に個性的なNFTについて言及しましたが、【後編】では没個性的なNFTについて言及します。また、NFT価値の源泉を問う【前編】【後編】を通じた総論として「NFTの普遍性と個別性」【後編】で筆者が示した理解を交えたNFTの将来像について考察をを行います。

「個性的な」と「没個性的な」の狭間に生じたNFT市場【後編】

固有に識別可能なNFTが没個性的であるとはどういう意味か、この問いに応えるために最初に没個性的を筆者がどのような意味合いで用いているのか、その立ち位置を共有します。
最近、SNS上で以下のような投稿を見かけました。投稿者のプライバシーに配慮して、アカウント名は伏せさせて頂きます。
肉が好き
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豚肉、牛肉、魚の中で魚が好き
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魚の中で鮪が好き
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鮪の中で本鮪が好き
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本鮪の中で○○の部位が好き
この投稿は、肉という「没個性的」な言葉を本鮪の〇〇の部位という「より個性的」な言葉で認知の階層を表したものです。この認知の層は学習コストを伴い没個性から個性へと流れていくものですが、この流れは不可逆ではなく可逆的であり、個性的なものを没個性的なものとして敢えて認知し直すこともできます。
【前編】の中世での事例で触れた馬の例では毛色や模様などが個性を持たせますが、あるグループに属する馬というより広い括りで扱うことで没個性化しているのもこれと同じく対象物の問題ではなく、人の認知如何の問題であり、どう見せるかの問題です。

この没個性化は同じグループにいる他の個性的な馬と同類であると認識されると、「同類交換」が成立するようになり「交換価値」が高まります。つまり、商品になる、ということです。これがつまり、本来ノンファンジブルだったものをファンジブルなものとして取り扱い可能にする意義です。
これを別の言葉で表現すると「馬」という価値尺度機能を得たとも言えます。

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