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SquareとARK InvestによるBitcoin Clean Energy Initiativeについてのレポート

2021年05月25日

前提

昨今、ビットコインのマイニングには石炭などの化石燃料が使用されており、環境への負荷が掛かっているとする論調が強くなっています。
テスラ社のCEOであるイーロン・マスク氏が同社が販売する車両の販売代金をビットコインで決済することを可能とするとリリースをした数か月後に、ビットコインの価格が上昇するのに伴い石炭など「化石燃料の使用」が現在よりも増えることを懸念して、ビットコイン決済を停止しました。
また、2021年5月7日にニューヨーク州で暗号資産マイニングの環境負荷を調査するために、一時的に州内のマイニング施設をすべて停止すべきとの法案が提出されたことで、ビットコインマイニングによる環境への影響という懸念点は強く意識されるようになりました。
世界規模で早急に対応すべき大きな課題に「気候変動問題」がありますが、その問題の影響もあり上記のようなビットコインマイニングが環境へ悪影響であるとする論調が増えています。そんな中でビットコインマイニングが再生エネルギーへの投資を促進し、電力コストを変えずに自然エネルギーがグリッド電力に占める割合を高めることができることを実証したSquareとARK Investmentによる取り組みであるBitcoin Clean Energy Initiative(ビットコイン・クリーン・エネルギー・イニシアティブ、以下BCEI)およびそのペーパーについて本レポートでは概観します。
SquareによるBitcoin Clean Energy InitiativeについてのIR
https://squareup.com/us/en/press/carbon
ドキュメント:SolarBatteryBitcoin
https://github.com/ARKInvest/SolarBatteryBitcoin

ビットコイン・クリーン・エネルギー・イニシアティブの背景

2020年12月にSquareは、サプライチェーン排出量におけるスコープ3(その他間接排泄量)の削減を含めた事業活動におけるカーボンニュートラルを2030年までに目指すという計画を発表しました。それに伴い、ビットコイン・エコシステムにおける自然エネルギーの導入と効率化を促進する企業を支援するために、1,000万ドルを拠出するイニシアティブであるBCEIについても同時に発表しました。
BCEIは、ビットコインマイニングにおけるグリーンエネルギー技術に取り組む企業を支援し、Square自身のESGの目的ではなく、ビットコインエコシステムがクリーンな電力への移行を加速させることを目的としています。
Squareの共同創業者兼CEOのジャック・ドーシーは、「暗号通貨は、いずれクリーンな電力で完全に駆動されるようになり、二酸化炭素排出量が削減され、世界中で自然エネルギーの導入が促進されると信じています。公表されている推計によると、ビットコインはすでにかなりの量のクリーンエネルギーを消費しており、スクウェアの投資活動がこの再生可能エネルギーへの転換を加速させることを期待しています」と述べています。
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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。