機関投資家による暗号資産のマイニング概況

目次

  • 前提
  • なぜ機関投資家がマイニング産業に参入しているのか?
  • 総論

前提

ビットコインのイノベーションは信用の構築と価値の移転を中央集権システムに依存せずに実現したことですが、それにはプルーフ・オブ・ワークにおけるマイニングが不可欠であり、マイナーに対して経済的インセンティブを与えることでブロックの検証を行う動機付けをし、専用の演算機械(ASIC)によりコストのかかる計算を行うことでネットワークのセキュリティーの向上に寄与させています。
ビットコインの誕生時から初期の段階ではマイニングは個人が趣味でPCのCPU(Central Processing units)で行うものでしたが、ビットコインの時価総額が約1.1兆ドル前後ある現在においては、マイニング専用のChipを搭載したASICを用いて大規模に行う一大産業へと変貌しています。
本レポートでは、機関投資家がマイニング投資へ参入してきた理由について概観します。
また、一般的にはマイニングに関するノウハウは公開されていないことから、マイニングについての情報は少なく、マイニングに対する誤解が多いように感じられます。ビットコインが経済的に成長していく中で、投資家やユーザーは、ネットワークのセキュリティーに貢献している業界を調査し、理解する必要があると考えており、本レポートが読者にマイニング業界のことを理解する一助となることを願います。

なぜ機関投資家がマイニング産業に参入しているのか?

「デジタルゴールド」に対する理解の広がりや投資家への熱狂がビットコインの価格への上昇に寄与していることは疑いがないでしょう。また、ビットコインを支えるコア開発者の保守的なスタンスは投資家やエコシステムから信頼を勝ち取っており、そのような信頼が伝統的な機関投資家の間においてもビットコインに対する支持を得ている理由の一つです。
 そのような背景から新たな投資家層が暗号資産市場に参入しつつありますが、特に機関投資家のような伝統的な投資家は、将来キャッシュフローの観点で投資を考えることに慣れており、プロダクトやサービスへの投資を好む傾向があります。
また、投資ファンドなどには運用上の投資ルールがあり、直接ビットコインへのエクスポージャーを取れないことが多いことから、代替手段としてビットコインを保有する公開会社(Micro Strategy社など)やマイニング事業を営む公開会社(Riot Blockchain社やMarathon Digital Holding社など)の株式へ投資する必要があります。このような背景があり、それら投資家の需要を捉えるために、公開会社がビットコインを購入していたりマイニング・カンパニーの上場が続いていることの理由の一つであると考えられます。
他にも投資パフォーマンスの観点で述べると、ボラタイルなアセットである暗号資産への投資はドルコスト平均法で行うことがリスク管理を行いつつ投資をする一つの優れた投資手法ですが、マイニングは実質的にはドルコスト平均法でビットコインを購入するのと同様の効果があり、適切な戦略と時間軸を取れば、マイニングへの投資は単純なドルコスト平均法戦略よりも良いパフォーマンスを出すことが実証されています。(参照:The Intelligent Bitcoin Miner, Part I. https://www.aniccaresearch.tech/blog/the-intelligent-bitcoin-miner-part-i/?ref=hashrateindex.com
近時においてはマイニングを多角的に分析したレポートがリリースされており、特に2020年3月にArk Investmentよりリリースされたレポート(参照:Bitcoin Mining – The Evolution of A Multibillion Dollar Industry https://ark-invest.com/white-papers/bitcoin-mining-white-paper/ )は機関投資家の投資スタンスに影響を与えたものと考えられます。
下記では米国を中心とした機関投資家マイナーの動向や彼らが参入している理由について分析していきます。

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