クリプト・暗号資産領域におけるプロジェクトの立ち上げ方 スタートアップとして創業して分散化に至るまでの道筋
2020年08月28日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- クリプト・暗号資産領域のアプリケーションとプロトコルにとってのビジネスモデル
- a16zによるクリプトプロジェクトの立ち上げ方に関する3つの順序
- 1.プロダクトマーケットフィット
- 2.コミュニティからの参加者を集める
- 3.分散化の成功
- a16zのプロジェクトの立ち上げ方に関する3つの順序を踏襲している事例
- Compound
- Uniswap
- Synthetix
- 初期のフェーズの難しさとVCの役割
- 総論
前提
本レポートでは、クリプト・暗号資産領域におけるプロジェクトの立ち上げ方について論考を行います。
ここでのクリプト・暗号資産領域におけるプロジェクトとは、パブリックブロックチェーンのプロトコルや、パブリックブロックチェーン上で構築されるスマートコントラクト群を指します。これらのプロジェクトは一般的な株式会社による経営ではなく、将来的な分散化を目指して構築されることがほとんどです。
分散化を果たすことによって、そのプロトコル・アプリケーションは一つの株式会社などの主体に頼らず、コミュニティ主導でのアップデートやあらゆる改善サイクルを有機的に続けることが出来るようになります。
ひいては、クリプト・暗号資産領域におけるプロジェクトは、通常のスタートアップのように創業期にエンジェル投資を受けて最初のプロダクトを世の中に出し、売上をあげながらシリーズA・シリーズBとVCから資金調達を受けIPOをするような創業ストーリーとは異なるものになります。売上・利益の概念すら異なり、株式会社ではない非営利団体などのFoundationの形態をとる例が多く存在します。便宜上株式会社を作っている場合もありますが、そのような場合は将来的にトークンと交換するためのエクイティを発行するためであったり、手続き上の都合で設立されているというケースが多いでしょう。
ひいては、クリプト・暗号資産領域におけるプロジェクトは、通常のスタートアップのように創業期にエンジェル投資を受けて最初のプロダクトを世の中に出し、売上をあげながらシリーズA・シリーズBとVCから資金調達を受けIPOをするような創業ストーリーとは異なるものになります。売上・利益の概念すら異なり、株式会社ではない非営利団体などのFoundationの形態をとる例が多く存在します。便宜上株式会社を作っている場合もありますが、そのような場合は将来的にトークンと交換するためのエクイティを発行するためであったり、手続き上の都合で設立されているというケースが多いでしょう。
つまるところ、パブリックブロックチェーンのプロトコルや、その上で構築されるスマートコントラクト群のプロジェクトの立ち上がり方は、通常のスタートアップとはまるで異なるということが言えます。しかしながら、クリプト・暗号資産領域におけるプロジェクトの立ち上げ方や、プロジェクトを成長させるフローもある程度は体系化されつつあります。
本稿では、それらプロジェクト立ち上げフローを順序建てて解説することを主旨とします。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。