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論考・企業のブロックチェーンコンソーシアムのガバナンスの検討

2020年08月11日

目次

  • 前提
  • ガバナンスを考える上で、コンソーシアムでブロックチェーンを使って何を解決するかの前提
  • ブロックチェーンコンソーシアムが設計すべきガバナンス要件・フレームワーク
  • 非営利団体を組成するのではなく、株式会社を設立するケース
  • コンソーシアムのガバナンスはブロックチェーン上でプログラミングされるべきか
  • 総論

前提

本レポートでは、企業のブロックチェーンコンソーシアムのガバナンスの検討について筆者の論考を述べます。
企業のブロックチェーンの活用検討は進んでおり、その多くのケースでは特定の業界企業でコンソーシアムを組成して、特定の情報の共有をして情報のサイロ化を解消し、結果として大きく業務を効率化することや新しい付加価値を作ろうとすることを目指しています。
例えば、製造業においては、サプライチェーンに参加している企業がブロックチェーンに情報を持ち寄り、生産、保管、輸送を全体最適となるようにリアルタイムで計画を更新出来るようになります。あるいは、金融業界においてはKYCを各金融機関がそれぞれ別々に行なっていますが、それを顧客の希望に応じてブロックチェーン間で共有できれば各社で別々に負担しているKYCコストが削減されるかも知れません。こうしたサイロ化している様々な断片的情報を必要に応じて他の企業に共有することで、その業界の課題を解決しようとする事例がいくつもあります。
関連レポート:ブロックチェーンは具体的に企業のビジネスをどのように変え、どのような付加価値・コスト削減を実現するか?
https://hashhub-research.com/articles/2020-03-01-why-blockchain-matters
しかし、複数の企業がブロックチェーンというシステムを運用して、何か業界の共通を課題を解決する際において、当然そのコンソーシアムのルールなどを定める必要性が生まれてきます。例えば、システムのアップデートや機能の追加、新しいコンソーシアムメンバーをどのように加えるかなどの決定すべき事項が定期的に議題に上がります。また、その決定すべき事項をどのように決定するか、そのガバナンス体系も定める必要が出てくる場合があります。
今回のレポートでは、これらブロックチェーンコンソーシアムのガバナンスの検討をする際に要点となる事項を俯瞰します。また、最初に断っておきますが、ブロックチェーンコンソーシアムはまだ新しい概念であり、長く運用されているものでも3年程度の業界です。そのためガバナンスの最適解のようなものは完成されていないことは前提になります。
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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。