Erasureの概要 Numeraiが開発する全体最適を前提にした情報マーケットプレイス
2020年04月23日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- ErasureとErasure Bayの概観
- Erasure Bay
- リクエスト例1
- リクエスト例2
- リクエスト方法
- Erasureの懲罰システムは機能するか?
- Erasureは普及するか
- 総論
前提
本レポートでは、分散型のヘッジファンドや情報提供を実現するプロトコルであるNumeraiとErasureの概観を行います。Numerai自体は2017年から存在する比較的古いプロジェクトで価格も低迷していましたが、2019年にはParadigmとPlaceholderから、トークンの売却という形で11億円相当を調達しています。プロジェクトの背後にある株式会社ではなく、トークンそのものに投資するパターンとしてはa16zのMKR(MakerDAO)投資やTim DraperのANT(Aragon)が挙げられます。
先にErasureを中心に述べますが、Erasureの本質はナシーム・ニコラス・タレブでいうところの『身銭を切れ』に近いです。
https://www.amazon.co.jp/dp/447810381X
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メディアはフェイクニュースに溢れ、Twitterアカウントは言いたい放題です。それは責任であったり、経済的インセンティブが不足しているからで、情報発信者が身銭を切り、そのリスクもリターンも負うようなシステムを構築すればより高品質な情報がやりとりされると彼らは信じています。
例えば、Erasureのブラウザエクステンションを使えば、メディアやTwitterから身銭を切っていない情報を非表示にできる、というように、情報の世界から無責任な情報を排除します(この機能はアイディアレベルで、まだ実現していません)。
事実としてインフルエンサーや有識者と認識されている人たちも結果として間違っていたことが往々にしてあるわけですが、多くの場合発言の数カ月後~数年後に発言の正当性は検証されず、発言力は維持されます。
一方で、どの情報が「正解であった」かは誰が決めるのか?情報購入者の気分で決められてしまうのか?と言った疑問があります。
これを以下で概観していきましょう。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。