MakerDAOのシステム変更のメカニズム概観 USDC導入とパラメータ操作の威力
2020年03月17日
目次
- 前提
- 今回変更された主要なパラメータとその理由
- USDC担保導入は大きな変更だがコントロール可能
- 論考
- 総論
前提
本レポートではMakerDAOのシステム変更のメカニズムを概観します。
先日公開したレポートでもETH価格の下落に伴ってMakerDAOシステムが債務超過に陥っており現在対応中だと記しましたが、その対応の一環としてUSDCが新たに担保として使用できることになりました。
USDCはCircle社によって発行されるステーブルコインで、Circle社が凍結権限を保有しています。またUSDC自体がステーブルコインであるため、USDCを担保資産として完全にはUSDにペッグされていないDAIを持つインセンティブは極めて小さいです。つまり、後述するMKRオークションを成功させるための措置だと理解することができます。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。