ブロックチェーンプロジェクトにおけるトークンアロケーション方式についての考察 オープンソースのブロックチェーンプロジェクトの資本政策の考え方
2019年03月28日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提・トークンアロケーション方式について
- トークンのアロケーションは、スタートアップ創業における資本政策のようなもの
- Etheruemのトークンアロケーション方式
- Etheruemのトークンアロケーション方式についての所感
- Stellarのトークンアロケーション方式
- Stellarのトークンアロケーション方式についての所感
- COSMOSのトークンアロケーション方式
- COSMOSのトークンアロケーション方式についての所感
- 0xのトークンアロケーション方式
- 0xのトークンアロケーション方式についての所感
- 総論・トークンアロケーションを考えることが何故重要か
前提・トークンアロケーション方式について
本レポートでは、ブロックチェーンプロジェクトにおけるトークンのアロケーション(割当)方式について考察を深めます。
多くのブロックチェーンプロジェクトはトークンを発行したり、ICOを行ったりしています。そのICOの時点で、初期にどのような割合でトークンを分配するかは大きい問題です。 アロケーション方式とは、XX%をICOでパブリックに売り出し、コミュニティファンドにYY%を預託、ファウンダーチームがZZ%を報酬にもらうといった割り当てのことです。基本的に、優れたアロケーション方式は、適切なステークホルダーに適切な分だけのトークンが分配され、経済圏に特権階級ができず、かつ持続的にエコシステムが稼働することだと言えます。
このトークンのアロケーションモデルには正解は恐らくありません。各ブロックチェーンプロジェクトの合意形成アルゴリズムによってもトークンアロケーションは変容する必要があるでしょうし、また、各プロジェクトの性質によっても異なるはずです。と考えれば、画一的な成功モデルといえるトークンのアロケーションモデルが存在しないことは自然です。
しかし、成功モデルはなくとも、現在稼働しているブロックチェーンプロジェクトのアロケーション方式を広く俯瞰することで得られる示唆もあるはずであり、本レポートではそれを試みます。ICOやプライベートセールのファンドレイズ時に、各プロジェクトがどのようにトークンを分配して、どのような作用を及ぼしたかを考えていきます。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。