ブロックチェーンにおけるフルノードの役割と、その肥大化など恒久的に考えられる問題への理解や解決アプローチについて
2018年11月27日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提・ブロックチェーンのフルノードが肥大化する問題
- フルノードの役割・フルノードを保持していることの利点
- フルノードが少ないブロックチェーンで起こりうる問題を顕在化する事例
- フルノードの実装自体を軽量化するアプローチ
- 将来に向けての解決アプローチの事例 Vipnode
- 将来に向けての解決アプローチの事例 Mustekala By Metamask
- 総論
前提・ブロックチェーンのフルノードが肥大化する問題
本レポートでは、運用の時間に比例をしてブロックチェーンが肥大化、すなわちフルノードの運用コストが上がっていき、そのコストの増加とともにネットワークが少数のフルノードに依存をするというブロックチェーンにおける恒久的な問題についての理解とそれについての解決策の提案について概観をします。
フルノードは、ブロックチェーンが運用を開始されてから最新のブロックチェーンのデータを全て保持します。
これはどのブロックチェーンのフルノードであるかによりますが、P2Pで他のフルノードと接続をして同期をし続けるには、十分なストレージとメモリがあることが必要とされます。
これに対して、ライトノード(ライトクライアント、またはSPVノードなど様々な実装パターンがありますが、総称してライトノードと呼ぶことにします。)はブロックチェーンの全ての情報を持ち合わせていません。
スマートフォンのウォレットや、一般的なユーザーが使用をしているクライアントは全てライトクライアントです。
ブロックチェーンの種類、または同じブロックチェーンの中でも実装は様々ですが、基本的に全てのライトノードが、ネットワーク内のフルノードと通信をするための最小限の情報しか持ち合わせていません。
最小限の情報しか持ち合わせていないので、多くのストレージやメモリを必要とせず、スマートフォンなどでも実行できるようにデザインされています。
一般的に1万のフルノードがあるネットワークと、100のフルノードしかないネットワークでは、当該ブロックチェーンへの信頼は異なります。
ネットワーク全体のデータを保持し、検証可能な人は多ければ多いほど分散ネットワークという観点では望ましいです。
Bitcoinにおいて、スケーラビリティの議論が長引いていた際、core開発者らの主張のひとつに、マイナーが集中化することの他に、ブロックサイズをあげるとフルノードを運用するコストがあがり、ネットワークからフルノードが少なくなることが大きな懸念として主張をされていました。
スケーラビリティの問題では、PoSやShardingの導入、サイドチェーンの実装に多くの焦点があてられますが、持続性のあるフルノード配備性も、ブロックチェーンの分散性とスケーラビリティを考えるのに、非常に重要な要素です。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。