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市場の主な関心は米国、米国暗号資産市場動向(2025年上半期)の予測

2025年03月07日
リサーチメモ(Lawrence)
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 2025年上半期の市場展望と仮説
  • 1. 定性的分析: 規制と業界動向
  • 2. 定量的分析: データで見る市場変化
  • 3.規制は技術進化やRWA拡大以上の影響か?
  • 4. 2025年上半期の市場予測
    • 米国での規制明確化と市場拡大 
    • DeFi・DEXの発展と規制対応
    • 価格動向と市場マインド
    • 結論: 取引所視点で捉える市場変化の主要因
  • 参考文献・出典

※免責事項:このレポートは生成AIで作成されており、査読は行われていますが必ずしも正しいとは限りません。重要な情報は確認するようにしてください。

リサーチャーメモ
  • 2017年から2024年の暗号資産の市場の印象は、ICOやDeFi、モジュラーブロックチェーン、Restaking、DePIN、RWA、ミームコインといったいわゆるバズワード中心という認識を筆者は持っています。ただ、今の市場はというと少し違う印象を持っています。今の市場はどちらかという、「米国」がそれらの位置に座っていると思います。
  • つまり、かつてバズワードを中心に牽引されていた市場は、米国の大統領の発言や、米国規制法案などの動向に大きく左右されるのではないか、というものです。これは恐らく多くの投資家にも感覚として共有されているものと想像します。
  • そこで、この記事では、それらの仮説を裏付ける現状は本当にあるのか、もしくはそれを反証する材料はあるか、といった問いをAIによって言語化しました。これがこの記事の動機です。

2025年上半期の市場展望と仮説

2025年に入り、暗号資産市場は新たな局面を迎えています。米国では政権交代により規制環境が大きく転換する見通しであり、主要因は規制動向になるとの声が高まっています。本レポートでは「米国の規制・政策的取り組みが、ブロックチェーン技術の進化やRWA(Real World Asset:実世界資産)の拡大以上に市場へ影響を与える」との仮説を検証します。また、2024年からの流れを踏まえた2025年前半の市場動向を定性的分析(ニュース・業界見解・規制動向・取引所戦略)と定量的分析(市場規模・取引量データ・資金流出入)を通じて具体的に予測します。

1. 定性的分析: 規制と業界動向

1.1 規制環境の変化と市場ニュース


米国では2024年末の大統領選で親暗号資産派の政権が誕生したとの見方から、市場に楽観論が広がっています。実際、「史上最も暗号資産に前向きな議会」と評される新議会が誕生し、トランプ新大統領も自称“Crypto President”として規制整備に積極的と報じられています。これにより、長年市場の重しとなってきたSEC委員長ゲンスラー氏の交代や、停滞していた立法の進展(例えば金融革新法案やステーブルコイン規制法案)への期待感が高まっています。

2024年には米国証券取引委員会(SEC)による暗号資産ETF(上場投資信託)の現物BTC・ETH ETF承認が実現し、ビットコインとイーサリアムは伝統金融市場からの注目を大きく集めました。このETF承認は、従来参入を躊躇していた機関投資家の資金流入を後押しし、市場の主流化に弾みをつけたと評価されています。

1.2 米国規制の強化・緩和が市場へ与える影響

米国当局の取り組みは市場心理を大きく左右しています。2023年にはSECが未登録証券取引の容疑で主要取引所を提訴し、市場に衝撃が走りました。また米司法省もマネーロンダリング対策として世界最大級の取引所Binance(バイナンス)を調査し、最終的に43億ドルもの罰金と和解が成立する事態となりました。この結果、Binanceは米国事業を大幅縮小せざるを得なくなり、利用者の資金流出や市場流動性の低下を招きました。実際、Binance.USの取引高シェアは急落し、米国市場における存在感はごくわずかになっています。

しかし2024年後半からは、政権交代による規制緩和期待が市場を支え始めました。前述のETF承認や議会での法案審議進展により、2024年末にはビットコイン価格が過去最高値を更新するほど投資マインドが改善しています​。親市場的な政策は「ゴールデンエラ(金色時代)の到来」として歓迎され、米国発の資金流入も期待されています。例えば、Coinbaseの政策責任者は「新政権の下、米国は迅速に暗号資産規制を整備し、5000万もの米国投資家の声が政策に反映されるだろう」と述べています

2. 定量的分析: データで見る市場変化

2.1 市場規模と主要銘柄動向

まず市場全体の規模推移を振り返ります。2024年は前半こそ低迷したものの、後半にかけて回復基調が強まりました。冒頭でも触れたように、2024年Q1に世界暗号資産時価総額は約13%減少して1.5兆ドル前後まで縮小しました。これは各国の規制強化(米国のSEC訴追や各国の取引所閉鎖措置など)が重なり、投資マインドが冷え込んだためです。また同時期、米国ではステーキング関連ガイドライン変更の影響でイーサリアム価格が一時7%下落するなど、規制ニュースが個別資産にも直接影響しました​。

出典:https://coinlaw.io/cryptocurrency-regulations-impact-statistics


しかし2024年後半には市場は持ち直し、年末時点で時価総額2兆ドル台を回復したと推計されます(参考: 2023年末は約0.8兆ドル)。ビットコインがETF承認を材料に約10万ドルの史上最高値を更新し、2024年通年で2倍以上の価格上昇となったことが全体を牽引しました。ビットコインの市場占有率(ドミナンス)はおおむね45%前後で推移し、依然マーケットの中核である点に変化はありません。

2.2 取引量の推移と資金フロー

次に取引量データから市場の変化を分析します。中央集権型取引所(CEX)と分散型取引所(DEX)の取引高推移を見ると、2024年前半は対照的な動きを示しました(図2参照)。

出典:CoinGecko 2024 Q2 Crypto Industry Report


上図は2024年上半期におけるDEX取引量の推移を示しています。2024年Q2(4~6月)にはDEX全体で約3,707億ドルの現物取引が行われ、前期比+15.7%の増加となりました​。対照的に同期間のCEX全体の現物取引量は3.4兆ドルで前期比▲12.2%減少しています​。この傾向は、上述したように規制強化局面で一部資金がDEXへシフトしたこと、また市場低迷期に取引活動自体が減退したことが要因と考えられます。

もっとも、市場が盛り上がった2024年Q4(10~12月)にはCEXも取引高を大きく伸ばしており、トップ10取引所合計で前期比+111.7%増(6.4兆ドル)という急増を記録しました。

主要取引所別のシェアでは、依然としてBinanceが世界市場を席巻しています。2024年12月時点でBinanceが約34.7%のシェアを占め、月間取引高は1兆ドルに達しました。

出典;https://www.coingecko.com/research/publications/centralized-crypto-exchanges-market-share


2位は急成長を遂げたCrypto.com(11.2%)、3位Upbit(9.8%)と続き、Coinbaseは6位・6.5%シェアに留まっています。これは米国最大のCoinbaseであっても、世界全体では一桁台のシェアしか持たないことを意味し、米国市場の相対的な縮小がうかがえます。一方、Binance.USやKrakenなど米国居住者向け取引所はグローバルではトップ10圏外であり、市場流動性の多くが米国外または分散型取引所で供給されている現状があります。この状況が2025年に改善するかどうかは、米国の規制環境次第と言えるでしょう。

最後に資金フロー(資金流入・流出)の観点でデータを見ます。規制の影響を端的に示す指標の一つがステーブルコインの発行残高変化です。ステーブルコインは法定通貨に価値をリンクさせた暗号資産で、投資家の資金逃避先や流入経路として機能します。2022年末から2023年にかけて、市場低迷と規制強化を反映して主要ステーブルコイン(USDT・USDCなど)の時価総額合計は1,500億ドル超から1,280億ドル程度まで縮小しました

出典:RWA Report 2024: Rise of Real World Assets in Crypto


特に2023年3月の米銀危機(シリコンバレー銀行破綻)時にはUSDCが一時的にペッグ崩壊を起こし、投資家がUSDCを大量償還(売却)する動きがありました。この結果、USDCの市場シェアは急落し、現在も回復していません。代わってテザー(USDT)が発行量を伸ばし約71%もの圧倒的シェアを握っています。この現象は、米国発の規制不安(銀行規制や証券認定リスク)が米国系ステーブルコイン離れを招き、規制の緩いオフショア系のUSDTに資金が集中したことを物語っています。

以上の定量分析から、米国の規制動向が市場データ(価格・取引量・資金フロー)に与える影響が読み取れます。規制強化局面では価格下落・取引萎縮・資金流出が生じ、規制緩和・明確化局面では価格上昇・取引活発化・資金流入という鏡写しの動きが確認できます。

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