Y Combinatorの直近投資先から読み解く「Fintech 3.0」の輪郭 

2026年08月03日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提
  • Y Combinatorの直近のクリプト・ブロックチェーン関連の投資先
    • 決済・口座・トレジャリー
    • Charm
    • BlindPay
    • Infinite
    • Karsa
    • IRBC
    • Ruvo
    • SpotPay
    • Archer
    • HEVN
  • トレーディング・市場インフラ
    • Axiom
    • PAX Markets
    • Freeport Markets
    • Instinct
    • Mochatrade
  • 開発者・AIエージェント向けインフラ
    • Unifold
    • Orthogonal
  • クリプト活用型バーティカル
    • PokerClubHub
    • Blaze
  • YCの投資先から見えるテーマやトレンド
    • ステーブルコイン決済サービス
    • AIエージェントがオンチェーン金融の新しい利用者になる
    • Hyperliquidを金融アプリのバックエンドにしてサービスレイヤーを開発
    • 逆説的に現在の投資されていない領域
  • 総括

前提

最も著名なインキュベーターの1つであるY Combinator(以下、YC)は、2026年に公開している「Requests for Startups」において、「The Best Time to Build in Crypto」を掲げています。
YCはこれまで100社を超えるクリプト関連スタートアップへ投資してきたと説明しています。さらに将来的には、決済や資金調達を含め、ほぼすべてのYC企業が何らかの形でクリプトのレールを利用するようになるとの見通しを示しています。
YCが現在注目している領域は、主に以下の6つです。
  • ステーブルコインと、その上に構築されるアプリケーション
  • AIエージェントによる商取引
  • 暗号資産・トークン化資産のトレーディング
  • 機関投資家向け金融商品
  • オンチェーンでの資金調達
  • スケーラビリティとプライバシーを備えたブロックチェーン
YCは、ステーブルコインの普及、トークン化株式、Hyperliquidの成長、AIエージェントとプログラマブルマネーの組み合わせなどを、クリプト領域に強気になる理由として挙げています。
またYCは2025年9月、Coinbaseと共同で「Build Onchain」というRFSを発表しました。ここでは、低コストなブロックチェーン、グローバルに流通するステーブルコイン、使いやすいウォレットが整備されたことで、既存金融機関のAPIを利用する「Fintech 2.0」から、ブロックチェーンを金融システムそのものとして利用する「Fintech 3.0」への移行が始まったと説明されています。
ブロックチェーン・クリプトは主に大資本の勝負に移行したように思える今の段階で、改めてシード期のプロジェクトがどういったことに注力しているかを知っておくことが本稿の目的です。3年後や5年後に大型買収がなされたり実は大きくグロースしていたというプロジェクトは、こういった誰も注目していない時にこそ生まれる可能性はあります。
本稿では、2024年秋から2026年夏までにYCが採択した企業のうち、暗号資産、ステーブルコイン、オンチェーン決済、DeFi、パーペチュアル取引などを事業の中核に据える企業を調査しました。
公開情報から確認できた主要企業は17社です。
決済・口座・トレジャリー | 9社 | 
トレーディング・市場インフラ | 5社 | 
開発者・AIエージェント向けインフラ | 2社 | 
クリプト活用型バーティカル | 1社 | 
最大の特徴は、YCの投資先が「新しいブロックチェーン」や「新しいトークン」に偏っていないことです。
中心にあるのは、ステーブルコインやオンチェーン市場を利用して、既存金融のコスト、速度、アクセス、ユーザー体験を改善するスタートアップです。
YCにおけるクリプト投資は、「Web3という独立した産業への投資」から、次世代金融インフラへの投資へと変化しています。
続きは有料会員限定です
  • 月額 9,990円〜で国内最大級のWeb3リサーチが読み放題
  • DeFi / NFT / DAOなど2,000本以上のレポートを網羅
  • 投資判断や事業検討に使える実務視点の分析
  • 基礎から最新動向までプロフェッショナルな情報にアクセス
すでにご登録済みの方は
無料会員登録は

※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。