トークン化金融 週次レポート|2025年11月第3週|ブロックチェーンが“裏側の金融システム”に組み込まれ始めた週
2025年11月24日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 1. 今週の事象マップ
- 1.1 ステーブルコイン / 決済・清算インフラ
- 1.2 銀行リテール・個人向けクリプト
- 1.3 機関投資家アクセス / 証券インフラ
- 1.4 RWA / トークン化・証券化
- 1.5 規制・監督・法執行
- 1.6 その他
- 1.7 上場フィンテック / テック決算コーナー(今週の決算一覧)
- 2. 今週の「構造的転換点」
- 2.1「ステーブルコイン/預金トークンが“金融バックエンド置換”フェーズに入った」
- 2.2「リテール金融が“銀行 × 暗号資産 × DeFi”の単一OSへ再編され始めた」
- 3. 巻末:先読みトレンド(中期テーマ)
- 3.1 国際送金・清算の裏側がステーブルコイン前提に遷移
- 3.2 北米マイナーのAI/HPCシフト(“電力×GPU企業”としての再定義)
- 3.3 ETFインフラのクリプト拡張(利回り×ロングテールETFが制度化)
- 3.4 トークン化が“銀行本業(決済・債券・証券)”を置換するフェーズ
- 3.5 主要先進国で制度レイヤー自体の再設計が進行
本稿は、暗号資産と既存金融がつながる“基盤レイヤー”に焦点を当てます。
今週は、清算・証券インフラ・国際B2B・国家レジストリといった金融の裏側で、オンチェーン要素が検討/PoC/本番稼働の各段階をまたいで同時に前進した点が最大のポイントでした。
以下、事象 → 力点 → 来週の観測の順で整理します。
1. 今週の事象マップ
1.1 ステーブルコイン / 決済・清算インフラ
今週の一文サマリ:
新興国側ではステーブルコイン決済の実需(カード迂回のB2B/送金)がフロントから拡大し続ける一方、先進国側では清算・証券決済・国際B2Bといったバックエンドで、「評価開始(制度ルールの入口)」→「限定本番(レールの実装)」→「準商用(商流規模の移行)」が別々の主語で同時進行した週。結果として、起点は二つでも“到達点が清算レイヤーで重なる方向性”は明確化したが、牽引力の大きさと不可逆性は事象ごとに差があることが確認された。
新興国側ではステーブルコイン決済の実需(カード迂回のB2B/送金)がフロントから拡大し続ける一方、先進国側では清算・証券決済・国際B2Bといったバックエンドで、「評価開始(制度ルールの入口)」→「限定本番(レールの実装)」→「準商用(商流規模の移行)」が別々の主語で同時進行した週。結果として、起点は二つでも“到達点が清算レイヤーで重なる方向性”は明確化したが、牽引力の大きさと不可逆性は事象ごとに差があることが確認された。
▼ Tier A(構造に効く:制度・インフラ・市場構造を動かす)
Tier A内でも、構造変化の深度は「ルールブック改変系」「レール代替系」「商流トークン化系」に分かれる。今週はこの三系統がそろって動いた点が重要。
- ルールブック改変系:
Deutsche Börse(Clearstream)がSocGenのUSD/EURステーブルコインを清算・担保インフラに載せられるかの技術・制度評価を開始。
→CSD/CCPの担保適格・清算ルールに“ステーブルコインを入れるか”という資本市場コアの改変検討が正式に立ち上がった段階。
- レール代替系:
Wirex × Stellar がUSDC/EURCでVisaカード清算を本番稼働
→ カード決済の裏側の銀行間送金レールを一部直接代替し、費用/速度/運用効率を理由に“ステーブルコイン前提の清算設計”が実務で動き始めた。
- 商流トークン化系:
- Alibaba × JPMorgan が預金トークン型クロスボーダー決済ネットワークを年内ローンチ
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HSBC が米国・UAEで企業向けトークン化預金を2026年前半に提供へ
→ 企業商流・トレジャリーの運用コストと資金拘束の削減という内部要請が、預金トークンの準商用化を押し上げる構図。
▼ Tier B(既存構造の拡張・実装:実用レイヤーの広がり)
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Solflare × Mastercard がSolanaセルフカストディ型デビットカードを提供開始
→ USDCを“そのまま”カード決済に使える実利用UX。
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Revolut(6,500万ユーザー)がPolygon統合を拡大
→ USDC/USDT/POL送金・決済・ステーキングをアプリ内で即時・無料化。
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Mastercard がPolygonを“Crypto Credential”送金IDの最初のチェーンに採用
→ 自主管理ウォレットへ“ユーザー名送金”を一般化。
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Nudge × HashPort がJPYC決済・JPYC返済・JPYC還元の「HashPortカード」を発行
→ 日本ではじめて“ステーブルコインで払う・返す・還元される”クレカUXが実装。返済は当面手動JPYC送金、2026年初頭にウォレット自動引き落としへ進化。
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UBS × Ant International が預金トークンによるリアルタイム国際決済の実験を開始
→ 多通貨資金移動と企業トレジャリーの24/7化を推進。
▼ Tier C(観測・ローカル起点・ニッチ拡大:将来のA/B候補)
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KRWQ(韓国ウォン連動ステーブルコイン)がローンチ2週間で取引量10億ウォン超
→ 非ドル法定ステーブルコインがマルチチェーンDeFiで流動性獲得できるかの観測点。
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AfCFTA(アフリカ)によるUSDTベース大陸貿易デジタル化計画が始動
→ 新興国B2B実務がステーブルコイン標準化に進む速度の観測材料。
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大手ギャンブル企業Super Group(南ア)がランド建ステーブルコイン「ZAR Supercoin」を発行
→ 産業起点のローカル通貨ステーブルコイン普及のテストケース。
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香港「Project Ensemble」がトークン化預金の実取引フェーズへ
→ 預金トークン×決済実務の本番化スピードを測る観測点。
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JSC × GMO Trust が日本法準拠の円・ドルステーブルコイン発行モデルを検討開始
→ 日本版ステーブルコイン市場の制度適合型インフラづくり。
1.2 銀行リテール・個人向けクリプト
今週の一文サマリ:
規制下の銀行・巨大フィンテック・取引所アプリが、暗号資産を“銀行機能/DeFi/新資産取引”ごと日常UXへ統合し、個人のクリプト入口が一段広がった週。
規制下の銀行・巨大フィンテック・取引所アプリが、暗号資産を“銀行機能/DeFi/新資産取引”ごと日常UXへ統合し、個人のクリプト入口が一段広がった週。
▼ Tier A(構造に効く)
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。