Web3.0における最新資金調達トレンド分析 #41
2024年10月07日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- #41_資金調達の潮流
- 1.「2024年10月」
- 2.「直近1週間」
- 2.1.AI&分散型モデルを活用した信用格付け機能を開発するSynnax、Wintermute VenturesとTON Venturesから戦略的資金を調達
- 2.2.エンターテインメント企業RoOLZ Studio Inc.のIPを基にしたプロジェクト「RoOLZ」が、Animoca Brandsから資金調達
- 2.3.Ethereumの機能拡張を目指すスタートアップ企業Layerが、Web Assemblyを使用した開発者ツールを提供するために1kxをリードに600万ドルのシード資金を調達
- 2.4.AIトレーニングのための分散型ネットワークインフラ「Nodepay」、Elevate VenturesやJump、Animoca Brands、OKX Blockdream、Mirana、NGC Venturesなどから資金調達
- 3.「2024年度Q4」
- 4.投資会社(投資家)の動向
- 4.1.直近一週間の出資フロー
- 5.補足資料
- Infra
- Games
- Tools
- CeFi
- NFT
前提
本シリーズでは、どのようなWeb3.0関連のスタートアップやプロジェクトに資金が集まっているのか、その最新の傾向とパターンを解説します。今回の#41では、2024年9月28日から2024年10月04日にかけての資金調達活動を調査し、どのカテゴリーが最も注目を集め、どのような特徴が見られるのかを分析しています。
【今週の主な話題】
- AI&分散型モデルを活用した信用格付け機能を開発するSynnax、Wintermute VenturesとTON Venturesから戦略的資金を調達
- エンターテインメント企業RoOLZ Studio Inc.のIPを基にしたプロジェクト「RoOLZ」が、Animoca Brandsから資金調達
- Ethereumの機能拡張を目指すスタートアップ企業Layerが、Web Assemblyを使用した開発者ツールを提供するために1kxをリードに600万ドルのシード資金を調達
- AIトレーニングのための分散型ネットワークインフラ「Nodepay」、Elevate VenturesやJump、Animoca Brands、OKX Blockdream、Mirana、NGC Venturesなどから資金調達
※本レポートでは当該期間中のトレンドのみを取り上げて解説します。各プロジェクト概要は添付リストの概要欄及び参照URLをご参考ください。
#41_資金調達の潮流
※グラフ記載の$_Mは当該期間中の調達合計、(_cases)は調達したプロジェクト件数を表しています。なお、資金調達報告は確認されているものの調達額が公開されていない場合は、ケースとしてカウントしてはいますが、調達額の計算には含んではいません。
以下、「2024年10月」「直近1週間」「2024年度Q4」の資金調達の潮流を概説します。
1.「2024年10月」
調査時点で観測している10月の投資ラウンド件数は計5件、公開情報に基づく調達額は約$0.01B(※非公開情報を含まない金額)の資金調達報告を確認しています。
2.「直近1週間」
この期間中、公開された資金調達額ではゲームセクター($12M/1件)、CeFiセクター($7.8M/1件)、インフラセクター($6M/4件)の順に多くの資金調達報告を確認しています。
より細かな分類(上図)では、メタバース関連($12M/1件)、ステーブルコイン・イシュアー($7.8M/1件)、レイヤー2関連($6M/1件)に比較的多くの資金が流れていることを確認できます。
2.1.AI&分散型モデルを活用した信用格付け機能を開発するSynnax、Wintermute VenturesとTON Venturesから戦略的資金を調達
Synnaxは、Wintermute VenturesとTON Venturesからそれぞれ55万ドルずつの戦略的資金調達を成功裏に完了し、今回の投資を加えて合計155万ドルを調達。
調達資金はSynnaxは「Credit Intelligenceプロトコル」およびTelegramミニアプリ「SynQuest」の開発を継続するために用いられます。
Synnaxが開発するCredit Intelligenceは、従来のクレジットレーティングとは異なり、分散型のコンセンサスモデルを使用し、独立した機械学習モデルのネットワークから得られる予測データを元に、企業の財務状況をリアルタイムで評価します。これにより、従来の評価の不透明さや操作のリスクを排除し、信頼性を向上させていると謳っています。
Credit Intelligenceに含まれる要素は以下の通り:
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信用シグナル(クレジットレーティングに相当)
- 現在のデータに基づく評価と、分散予測による将来予測の評価
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予測財務指標(17の予測指標と22の財務比率)
- リアルタイムで更新され、カスタマイズ可能なチャートを提供
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R-Score(レジリエンシースコア)
- 将来の債務返済可能性の推定値
もう一方の「SynQuest」は、Telegram上で提供されるミニアプリで、SynnaxコミュニティメンバーがSYNAIトークンをステーキングし、クイズ形式のゲームをプレイして実際のリターンを得ることができる「ステーク・プレイ・アーン」体験を提供しています。
SynQuestでは、単なるタップではなく、仮想通貨や金融に関する質問に答えてポイントを獲得し、ゲームキャラクター「Gaal」を助けて敵と戦います。ポイントは後にSYNAIトークンとしてエアドロップで還元され、ゲーム内でのユーザーの意見データはSynnaxの機械学習モデルの改善に活用されます。
将来的には、このデータを活用して収益化し、SYNAIのステーキングに基づくリアルなリターンが提供されるとしています。
それぞれの詳細は、公式ドキュメントをご参考ください。
[参考]
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。