NFT流通モデルを脱構築する【前編】|「現在のNFT流通モデルの多くは崩壊している」と同時に「新たな流通メカニズムは開拓されている」
2022年09月16日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- NFT流通手法に関する課題感「現在のNFT流通モデルの多くは崩壊している」
- 前提知識:VRGDAとは何か
- VRGDAの仕組み解説
前提
本レポートではNFTブランディングに流通量調整が求められる理由及びそれらを背景に発展しつつある流通量調整手法、主に2022年8月にParadigmが公開した新たなトークン発行手法「VRGDA」を概説します。なお、本レポートは前編後編の二本立てで構成し、前編では以上のことを、後編でVRGDAを応用した実験的なオンチェーンゲーム「Art Gobblers」を概説します。
【対象読者】
- NFT、GameFi、オンチェーンゲーム関連事業者、またはNFTクリエイター
【要旨】
- 課題①:初期段階で10kNFTを流通させる現時点で一般的なNFT流通量モデルには課題がある
- 課題②:①モデルは供給量を固定化しているために需要の変化への対応が困難。NFTプロジェクト公開時の投機熱と本質的需要との乖離が、のちの市場価格崩壊、その結果としてのブランド崩壊を招く危険性がある。
- 必要な措置:市場価格を安定させるためにコレクター数(需要)の増減に応じて市場流通量を調整する必要がある。執筆時点では初期流通量を少なくし、徐々に増やす施策やNounsDAOのDaily Auctionのような仕組みで流通量を最小化する手法がある。
- 本レポートの主題:市場供給量の調整も然りではあるが、それと同時に需要に応じた価格調整もまた必要とされる。今回のレポートでは主に供給量の調整と価格の自動調整を行うメカニズムVRGDAを紹介
- 【後編】VRGDAの応用考察:主にオンチェーンゲームでの活用事例について触れる。トークンに市場価値を持たせることは可能ではあるが、一般的に発行上限のない消費アイテム(トークン)はゲームが進行するにつれてワールド内に過剰にインフレし、ゲームバランスを崩す危険性がある。この危険性をVRGDAメカニズムで緩和することができるのかという点について触れる。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。