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【TIPS】Internet Computer上のNFT評価指標について~ICPuppiesの事例~

2021年11月25日

目次

  • 前提
  • Internet Computer上のNFT評価指標
  • 総論

前提

本レポートではInternet Computer上のNFT評価指標について概説します。
Internet Computer(以下IC)上のNFTエコシステムは他のブロックチェーン上のNFTエコシステムと比較して未成熟な市場とは言えますが、各NFTの相場は公式見解、コミュニティによる評価、サードパーティによるインデックス提供により少しづつ市場を分析するツールが整いつつあります。今回のレポートではIC上のNFTを取引する際の参考となるように、執筆時点で「評価のものさし」として用いられている代表的な指標をいくつかご紹介します。
またIC上のNFTプロジェクトには他のプロジェクトと共通する指標と、各プロジェクト独自の評価基準というものがあります。今回は共通の指標と固有の評価基準の両方の要素をもつICPuppiesというNFTプロジェクトをサンプルとして取り上げ、IC上のNFT評価指標について概説します。なお対象NFT市場は執筆時点でIC上の主要NFT市場であるEntrepotを対象とします。
※本レポートを参考にする際の注意事項
NFTそのものは取引を行っている「個々人のものさし」に大きく依存しているため、今回紹介する指標のいづれも「現実の市場評価を正しく反映しているわけではない」という意見を筆者は抱いています。ものさしとは今回紹介する指標のほか、金銭的価値、技術力、歴史、好みなどの個々人の多様な価値観を反映するものであり、これらが複雑に影響し合いながらNFTの相場は形成されています。今回紹介する指標群はあくまでも「自身のものさし」を客観的に捉え直すための補助的なツール程度に捉えていただければと思います。
【ICPuppiesについて】
本レポートでサンプルとして用いるICPuppiesについて簡単に概要を解説します。ICPuppiesは2021年10月8日に誕生した子犬(Puppies)をモチーフとするNFTプロジェクトです。執筆時点では1万匹を発行上限としたPFP NFT(Profile-Picture NFT) プロジェクトとして扱われていますが、将来的には8bitのP2Eオンチェーンゲームに各NFTが用いられる予定です。ゲーム内容についてはたまごっちのように世話の如何が子犬に影響する育成ゲームを想定しているとしていますが、現在はまだ構想段階にあり、ゲーム内容が明確に定まっているわけではありません。なお執筆時点ではゲーム開始時期は未定であり、早くとも2022年以降を予定しています。
※ICPuppies P2Eゲームについての参考資料:https://medium.com/@ICPuppies/icpuppies-p2e-game-concept-reveal-80159a6269ca

P2Eゲーム開始前の主な保有インセンティブは、保有数に応じたシーズンごとのウェアラブルNFTエアドロップにあります。エアドロップは各シーズンのイベントに合わせて行われるとされており、第一弾はハロウィンに合わせたNFTエアドロップとして実施済みであり、次回第二弾は年末イベントに合わせて計画されています。
※補足情報:ICPuppiesの売り上げ、取引手数料の一部は提携している慈善活動団体へ寄付されています。このチャリティ活動をNFT保有インセンティブにしているユーザーは全てではないにしろ、一定数存在する可能性はあるでしょう。
エアドロップ条件はIC PuppiesNFTを1匹以上保有でT1背景NFTのエアドロ、25匹保有でT1+T2背景のエアドロ、50匹保有でT1+T2+T3背景のエアドロというように保有数に応じてより希少性の高いNFTを配布する仕組みを採用しています。また子犬50匹を上限に5匹保有毎にシーズン限定ウェアラブルNFT(帽子やアイウェアなど)がエアドロップされます。
※NFTエアドロップについての参考資料:https://medium.com/@ICPuppies/halloween-998f77a695d3
ICPuppiesプロジェクトはToniq.Labのサポートを受けていることから同社エコシステムに含まれるプロジェクト群の一つと考えられます。トークン規格はToniq.labが採用するEXTと呼ばれる拡張性を持たせたトークン規格を採用しており、エアドロップされたウェアラブルNFTの着脱機能が将来的に実装される予定です。(執筆時点ではウェアラブル着脱機能は開発途中です。)
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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。