Bitcoinトランザクションの構造を理解して最新アップグレードTaprootの概要を掴む
2021年07月24日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- SegWitとは
- Bitcoinのトランザクション
- トランザクションスクリプト
- トランザクションの有効性チェック
- 総論
前提
本シリーズでは年内にアクティベート予定のTaprootの概要とその前提となるSegWit(2017年にアクティベート済み)等の仕組みの概観を行います。Bitcoinの基本的なトランザクションの仕組みや重要なアップグレードの概要を理解しながら、最終的にはBitcoinの最新アップグレードであるTaprootの大まかな意味を掴むことを最終的な目標とします。Taprootは2017年にアクティベートされたSegWit以来最大のアップグレードであり、シュノア署名の導入を前提としたプライバシーの向上や手数料の削減に寄与する技術です。
SegWitとは
SegWit(Seggregated Witness)は2017年8月にソフトフォークによってBitcoinに取り込まれました。その名の通り署名データ(Witness)を分離してブロックに保存する方法です。これによって、トランザクション展性(Transaction malleability)の問題解決とブロックサイズの事実上の増加が実現しました。トランザクション展性はトランザクションの送付先や数量等の内容を変えずにトランザクションIDが変わってしまうことを指します。SegWit以前の方式では、トランザクションIDの元となるデータとして署名データも含まれていましたので、署名データを変更することで送付先や送付数量を変更することなくトランザクションハッシュの変更が可能だったのです。署名データを分離することによってこの問題は解決されました。
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