mStableの概要 複数のステーブルコインを担保に単一のステーブルコインを生成するプロトコル
2021年04月29日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- mStableの概要
- mAsset
- スワップ
- Save
- ガバナンストークンのmStable Meta(MTA)の概要
- MTAの概要およびトークンエコノミクス
- トークンディストリビューションと流動性マイニング
- 総論
前提
本レポートではmStableの概要について解説します。
mStableは、複数のステーブルコインを担保に単一のステーブルコインを生成するEthereum上のプロトコルです。現在、ステーブルコインには様々な種類があり、主要どころだけでもUSDC、DAI、USDT、 sUSD、TUSD、GUSDなどいくつも例に挙がり、実際にはこれ以外にさらに多くの種類が存在します。
mStableはこれらのステーブルコインを担保にしてmUSDという1つのステーブルコインに変換することができます。加えてmStableは主要なステーブルコインのスワップ機能も備えています。
今回のレポートでは、mStableの概要と基本的な仕組み、およびガバナンストークンのmStable Meta(MTA)の概要について解説します。
mStableの概要
mStableは、複数のステーブルコインを担保に単一のステーブルコインを生成するEthereum上のプロトコルです。2020年5月にメインネットローンチをしました。
mStableは、以下の課題を解決することを目的にしています。
- Ethereum上の主要なUSドルのステーブルコインだけでも5種類以上存在し、ユーザーエクスペリエンスを悪くしていること
- ステーブルコインを保持しているだけでは利息がつかないこと
- ペッグされた資産の損失可能性に対する保護の欠如
mStableのプロトコルは、あるソフトペグトークンを担保にして、mAssetと呼ばれる合成資産を生成することができるスマートコントラクトで構成されています。加えてスワップの機能や金利取得の機能も備えています。それぞれの要素について解説します。
mAsset
基本的な仕組みとして、ユーザーはmStableのスマートコントラクトに担保差し入れ対象のステーブルコイン(例:USDC)をデポジットするとmUSD(mStableプロトコルによって生成される資産はmAssetと呼ばれる)を1:1で生成することができます。また、mUSDは1:1で担保資産と引き出しが可能です。
mStableのスマートコントラクトに差し入れされた担保資産は、スマートコントラクトが自動的にCompound等のサードパーティのレンディングプロトコルに貸し出しを実行します。このときに取得した金利は、mAssetの保有者に分配されます。この機能がSaveです。後述して解説します。
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。