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DEX(分散型取引所)が将来どのような要因で利用拡大されるかについて。現在の技術的課題やユーザー心理などから、DEXのテイクオフに必要な要因を3つに分解

2018年07月06日

目次

  • DEXの現在の状況
  • DEXでしか取引ができない金融商品が出来るとき
  • 中央集権取引所の利用が制限をされるとき
  • ハイブリット型のDEXでユーザーエクスペリエンスに優れたものが登場をするとき
  • 総論

DEXの現在の状況

DEX(分散型取引所)が、今年に入ってから特に注目されています。
IDEXやBancorといった昨年から稼働しているDEXもアップデートを繰り返していりことに加え、今年に入ってからもKyberNetworkやAirSwapなどがメインネットで稼働開始しました。
DEXプロトコルの0xのリレイヤーに関しては、まだテストネット段階のものや開発中のものを含めて、約20のプロジェクトがリレイヤーとして立ち上がっています。0xのリレイヤーは全てでではないですが、主要なものはこちらから参照できます。( https://0xtracker.com/relayers
また、今年6月には、DEXの流動性問題に対するアプローチとして期待度が高いTotleがメインネットにローンチされました。
ある注文をすると、KyberNetwork、RadarRelay(0xのリレイヤー)、Bancor、それぞれのDEXからオーダーを参照して適切なものへアクセスするというもので、沢山あるDEXにオーダーが分散してしまっていることの解決手段です。
このように様々なDEXが出てきて、また特にKyberNetworkなどのDEXなどに関してはUI/UXもかなり良くなっており、まだまだ課題を残しつつも、DEXは使いやすくなっています。
しかし、その一方、実際の取引ボリュームでは、マーケット全体に対して、依然少ないです。
従来型の取引ボリュームが圧倒していて、DEXは市場への影響力を持つどころか、まだ多くの人にとって使う選択肢にも上がっていないというのが現状でしょう。
現在のDEXで取引高ナンバーワンは、IDEXですが、執筆時点の24時間の取引ボリュームは、約$380000ドルで、取引所全体の出来高ランキングでは83位です。
また、IDEXのあとにはBancorなどのDEX があとに続きますが、現在、ローンチをされている全てのDEXの出来高を合わせても、マーケット全体の出来高の1%にも満たないということがDEXの現状です。
さて、DEXが近い将来により存在感を高めるという予想は、業界で多くの人が予想しており、個人的にもそう思っています。
しかし、それをより因数分解して、具体的になにをきっかけに、ユーザーはどのようにして従来の中央集権型の取引所からDEXへの移行をするか因数分解をした議論はあまりされてこなかったように思います。
これに関しては、自分も時間をかけて考えましたが、ある程度の仮説がたてられたので、「ユーザーはなにをきっかけにDEXに移動をするか。」の予想をまとめようと思います。
前提として、多くのユーザーやトレーダーが「自分は、絶対に中央集権の取引所は使いたく、分散型取引所が良い。」と考えている人は少ないと思います。
それで移動をするのならば、とっくにDEXのユーザーは増えていますし、より多くのユーザーがDEXに移行するときは、別の要因が求められるだろうと考えます。
一部過去のレポートと内容が重なる部分もありますが、ユーザーがDEXに移行をするには、将来に3つのきっかけが必要になると思います。
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