連載:予測市場の国内事業化を考える|第1回:予測市場プラットフォームの現在地と到達点
2025年11月12日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
目次
- 前提
- はじめに:予測市場の歴史をサクッと概観
- 予測市場の現況と隆盛
- 世界の主要プレイヤー比較
- 日本向けに当たる可能性があるテーマ
- 考察&総括:日本市場で成立しうる仮説と段階的進化
前提
ここ一年ほど、予測市場に関するニュースやプロダクトの更新が目に見えて増えつつあると感じています。振り返れば、前年の米大統領選挙が火種となっていますが、ここ最近における象徴的なイベントだけを見渡しても、ニューヨーク証券取引所やBakktの親会社であるインターコンチネンタル取引所(ICE)がPolymarketに20億ドル戦略的出資したことや、Kalshiの3億ドル調達、Geminiが予測市場への参入を計画していることや、Google FinanceがPolymarketとKalshiのデータを統合することを発表したニュースなどが、予測市場プラットフォーム全体における直近の出来事として記憶に新しいのではないでしょうか。
これまで「予測市場」というのは、クリプト業界において長らく実験的な領域として語られてきましたが、ここ最近は状況が少し変わったと筆者は捉えています。オンチェーンとオフチェーンの分業が一般化し、参加導線が簡素化され、確率データの二次利用も具体的になっていますし、グローバルベースで事例と数字が積み上がったこともあり、最近では国内でも関心を持つ事業者が目立ってきました。
以上を踏まえて、現在は「予測市場が盛り上がっているから注目する」のではなく、「なぜいま、その浸透を後押しする条件が整っているのか」を検証する意義が高まっていると考えられるため、本連載はその土台となる前提を整理するために企画しました。第1回目となる本稿では、予測市場プラットフォームの現在地と到達点と題し、予測市場の歴史や現況、日本市場で成立しうる仮説などについて考察していきたいと思います。
はじめに:予測市場の歴史をサクッと概観
※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。